天理大学からドラフト2位で入団したルーキー・友杉篤輝。開幕一軍の座をつかむと、4月は藤岡裕大と併用されるような形でコンスタントにスタメンで出場。大学時代から定評のあった守備力、スピードだけでなく、バッティングでも結果を残し「レギュラー奪取」を期待する声も多い。

そんな期待のルーキーに、開幕から1カ月が経った現在の心境、手応えと、同級生への意識、これから先も続くシーズンの目標を伺いました！

プロでも守備に手ごたえ
試合の中でアジャストしたい

――ルーキーイヤーの今季は開幕一軍。4月はコンスタントにスタメン出場も果たしました。率直に、この1カ月を振り返っていかがでしょう。

友杉　試合に出させてもらえて、ヒットも出ているんですけど、特に打撃についてはまだまだ力が足りないなぁ……と感じています。

――「打撃については」ということは、逆に評価の高かった守備やスピードの面では「プロでも通用する」という手ごたえがある？

友杉　守備に関しては特にやれているなと感じています。スピードの部分は走塁面など、課題もありますけど、少しずつ慣れていければなと。

――ショートという難しいポジションにもかかわらず、1年目とは思えない落ち着きも感じます。そのあたり、あまりプレッシャーもなくやれている？

友杉　はい、変な緊張感などもなくプレーできています。プロの打球スピードも、もちろん速いですが対応できていると思っています。

――力が足りない、とおっしゃった打撃面の課題を具体的に挙げると？

友杉　力負けというか、差し込まれている感覚が強いです。結果的にヒットになっている打球でも、自分が思っているより「差し込まれた」と感じるケースが多いので。これからは「振り負けない」ということが大事になってくるのかなと思っています。

――やはりアマチュア時代と比較して、ピッチャーのボールの質、強さの違いは感じる？

友杉　特にボールの「キレ」が違うなと感じます。大学にも速いボールを投げるピッチャーはいたんですけど、球速が同じくらいでも、実際に振ってみるとプロのボールのほうがキレがあるぶん、差し込まれてしまう印象です。

――その部分でのアジャストは、シーズン中にクリアしていきたい？

友杉　今は試合に出させてもらっているので、そこでしっかりと合わせていきたいです。1日でも早く、プロのボールにアジャストしたいと思っています。

――チーム内にはライバルもたくさんいます。その中で出場数を増やすこと。レギュラーを目指すことについては、どう感じていますか？

友杉　打撃の課題はもちろん、1年間通してプレーする体力が自分にあるのかもわからないので、そういう課題も多い中で試合に「出させてもらっている」という感覚です。

――スタメンで出場するケースと、途中出場のケースも違いますよね？

友杉　個人的には、途中から出るほうがキツいです（笑）。代打でも代走でも、一度のチャンスで結果を残さなければいけないですし、相手にも警戒される中でプレーすることになるので。

安田尚憲、山口航輝の打撃に衝撃
藤原恭大は中学時代から“スーパースター”

――プロに入ってから「やっぱりプロはすごいな」と思ったシーンはありますか？

友杉　フリーバッティングを見ると、スイングスピードや打球の速さが大学とは全然違うので、衝撃を受けました。チームメイトで言うと安田（尚憲）さんや同い年の山口（航輝）のような長距離バッターは、すごく印象に残りました。

――今季、友杉選手がスタメンで起用される試合では、1番に藤原恭大選手、2番に友杉選手、4番に山口選手と、上位打線に同学年の3選手が並ぶケースが目立ちます。高卒と大卒という違いはありますが、やはり「同い年」の選手の存在は意識しますか？

友杉　意識するというよりは、一緒に活躍できればいいなと思っています。藤原も山口も結果を残している選手なので、負けないように自分も結果を出したいです。

――藤原選手は、出身も同じ大阪ですよね？たとえば小学校、中学校時代に交流があったりはしたんですか？

友杉　特に交流はなかったですけど、藤原は中学の時点で有名だったので僕の中では当時から「スーパースター」です（笑）。僕自身は高校時代、プロすら意識していなかったので、大阪桐蔭で活躍する藤原のことは単純に「ドラフト1位やろなぁ」という感覚で見ていました（笑）。

――友杉選手自身、プロへの意識が芽生えたのはいつごろ？

友杉　大学2年生の冬から3年生になるころです。先輩を見に、スカウトの方がいらっしゃっていて、監督さんからも「お前も行けるぞ」と言われて意識するようになりました。

――最後に、今季これから先の目標と、ファンの方に向けて「友杉篤輝のココを見てほしい」というアピールをお願いします！

友杉　数字の目標はあまりないです。まずは1試合でも多く試合に出ることを目指して、これからもプレーしていきたいです。ファンのみなさんには、自分の一番お武器であるスピードを見てもらいたいです。まだまだ課題も多いですが、シーズンを通して成長していく姿を、1年間通して見せることができればと思います。

――ありがとうございました！今シーズンの活躍、期待しています！

収録：2023年4月21日
インタビュー及び記事執筆：花田雪
協力：千葉ロッテマリーンズ