「選手がかわいそう」だけで片付けてはいけない球団経営の内情とは?
ポスティングシステムとは、まだ海外FA権(選手生活9年を経て取得)を持てない選手がメジャーリーグに移籍する手段のこと。
大谷翔平が若くしてアメリカに行けたように、このポスティングについては良い面も多いが、まだまだ改善の余地もあるという里崎智也の意見を聞いてみた。
そもそも、ポスティングで移籍するには、所属しているチームからメジャーリーグへの移籍許可が出ないといけない。
どんなに選手が移籍したくても、チームに「メジャーへは行かせない」と言われてはアメリカへ行くことはできない。
チームとしても若くて活躍する選手はチームの宝だから、そう簡単には放出したくないのが本音だ。
また、一人を認めてしまうと次から次に若い良い選手がポスティングを申請してきたときに断りにくくなるという状況にもなる。
現状だと西武ライオンズが分かりやすい。なぜ高橋光成のポスティングを認めないのか? それは、そのあとに今井達也も平良海馬も「メジャーリーグに行きたい」と言うはず。高橋光成は認めるけど、今井達也や平良海馬は認めないということはできないのが現実だ。
これを「選手がかわいそう」と思うファンもいるかもしれない。しかし、球団経営のなかで人気選手をそう簡単に出すわけにはいかないという面もある。
里崎智也の提案するポスティングルール変更案も話してくれた。
ポスティングでメジャーリーグに移籍した選手が日本球界に戻ってくるときは基本的に元のチームに戻ってこないといけないというルールだ。アメリカでプレーした期間が長ければ適用外でも良いが、2~3年で帰ってきた選手には適用したいと里崎智也は提案する。
これでチームにとっては人気選手流出のリスクが少しはカバーされるはず。もちろんチーム側が「いらない」となれば、他球団でもOKだ。
この意見に賛成するもしないも、あなた次第。どちらにしろ、ポスティングについて改めて考えるよい機会になったトークショーの一幕だった。
公開日:2024.07.25