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「スポーツ=稼げる」に。キャリアアドバイザーが目指す世界とは?

スポーツ専門キャリアアドバイザー 岸 充さんインタビュー④

ーーセカンドキャリアやデュアルキャリアが浸透すれば、選手たちにも光が見えてきそうです。

岸:「スポーツ=稼げない」というイメージを壊したいんです。多くのスポーツ選手が引退後のセカンドキャリアや、競技中の収入に関して悩みを抱えています。また我々親世代もスポーツに対する価値観も変わってきていると感じています。

岸:そうした現実もあって、スポーツ選手を目指す子どもたちが減少傾向にあります。
日本スポーツ振興センターが実施した「デュアルキャリアに関する調査研究」の結果からは、アスリートの「デュアルキャリア」の過程において、特に保護者と指導者が、アスリートの競技継続、進学先の決定、将来の設計も含めたキャリア形成に対する影響力が大きいことが実証されました。

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ーー子どもたちの憧れの職業ランキングといえば、スポーツ選手がトップでしたもんね。

岸:もちろん他の職業を否定するわけじゃないんですが、自分もスポーツに救われてきた部分があったので、スポーツに関わる人が減っていくのは寂しいなと思うんです。
特にデュアルキャリアに関しては日本でも4~5年前から力を入れて掲げているのですが、なかなか浸透していないのが現状です。

ーー今の日本は、競技だけに集中するべきという風潮があるように感じます。

岸:もちろん選手にとっては今の成績が次のシーズンに左右されたりなどもありますから、本人が集中したいという場合もありますし、その価値観は尊重するようにしています。
でも選手がまたここに戻ってきたら必ず相談に乗りたいし、現実だけはしっかり言い続けないと本人のためにもならない。
だから、アスリートやチーム、指導者ともバランスをとりながら向き合っていこうと思っています。

ーースポーツで稼ぐ。その価値観を生むためには、子どもの時から広い視点を持てる教育が必要なのかもしれませんね。

岸:そういう意味では、保護者世代に働きかけていかないといけないし、産学官連携で貢献をしていきたいと考えています。「スポーツ=食べていける」という価値観を世の中に見せたいな。
今、少子高齢化の影響でスポーツが衰退していくとも言われている現状もあります。でもちょっと文化を変えれば、またスポーツ業界全体が盛り上がるのではないでしょうか。
長期的な話ですから、もうその頃には私は75歳くらいになってるかもしれませんが…!

【インタビュー】株式会社スポーツフィールド キャリアアドバイザー 岸 充(きし・みつる)
◆経歴◆
6歳からサッカーをはじめ、大学卒業後は大手人材会社に入社。13年間、営業・アドバイザーとスポーツ業界を担当した後に株式会社スポーツフィールドに入社。現在は経験を生かし、スポーツ人財のデュアルキャリアやセカンドキャリア支援、第二新卒・中途の転職支援を担当。長崎生まれ、東京育ち。37歳。

【取材元】スポジョバ〜スポーツ業界に特化した求人メディアサイト〜
取材・構成=久下真以子
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