LOVE SPORTS

  • HOME
  • SPORTS COLUMN
  • 毎シーズン引退覚悟で戦う! TUBC(東京ユナイテッドバスケットボールクラブ)現役レジェンドプレーヤー、宮田諭選手兼スポーツディレクター!〈直撃インタビューその2〉【バスケ/Bリーグ】

毎シーズン引退覚悟で戦う! TUBC(東京ユナイテッドバスケットボールクラブ)現役レジェンドプレーヤー、宮田諭選手兼スポーツディレクター!〈直撃インタビューその2〉【バスケ/Bリーグ】

Bリーグ現役最年長――宮田諭が語る「現役を続ける理由」

宮田諭

毎シーズン「これが最後」

B3参戦3シーズン目を迎えた東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以下TUBC)が、開幕から好調を維持している。第6節を終えた時点で6勝2敗と岩手ビッグブルズ、横浜エクセレンス、香川ファイブアローズに次いでリーグ4位。過去2シーズン、プレーオフに進みながら昇格を逃した悔しさをバネに、さらなる飛躍を予感させるに十分な戦いぶりだ。

開幕3戦目の岩手戦では本拠地・有明アリーナに今シーズンのB3最多観客となる9385人を動員するなど、実力も人気もB3トップレベル――。そんなチームを語るうえで欠かせない存在がいる。

宮田諭――。1978年1月9日生まれの46歳。現役のプレイヤーとしてはBリーグ最年長の“レジェンド”だ。
【全2回の第2回】

TUBC立ち上げ当初から選手兼スポーツディレクターとして奔走した宮田さん。チームの運営に苦心しながら、過去2シーズンはプレーオフにも進出。当然、「プレイヤー」としてもチームにどう貢献できるかを考え続けている。

「選手はみんな、今いるチームが一番好きだし、そこで結果を残したいはずです。ベテランになればなるほど、そういう気持ちは強くなる気もしますけど、今は『TUBCで現役を最後までやり遂げたい』という思いが強いです」

引退――。46歳という年齢を考えれば、当たり前だがその現実はつねに隣合わせだ。

「毎日、そろそろ引退かなと思いますよ(笑)。TUBC初年度に一緒に入団した齋藤豊という選手がいるんですけど、彼とはアルバルク時代からチームメイトで、同じタイミングでチームを退団して、エクセレンス、TUBCとずっとやってきた。アルバルクを退団した時点で、3年後に東京国体があったので『そこまではやろうね』と言っていたのが、気づけば10年以上経っちゃった……という感覚ですね」

毎シーズン、「これが最後」と思いながらプレーを続ける。体力的な問題はもちろん、宮田さんの場合は選手以外の業務でも多忙を極める。そんな環境で、現役を継続するモチベーションはどう生まれるのか。

「プレーをするモチベーションがなくなったことは一度もないです。バスケットは面白いし、身体が動く限りはやりたいんですよね。アルバルクをカットされたときもプロではなくクラブで続けることで『引退』という言葉は使わなかったんです。どんなカテゴリであってもバスケを続けている以上は『現役』ですし。そういう意味では今後もしTUBCをやめても、たぶんどこかでバスケは続けるだろうから『引退』はしないのかもしれないですね(笑)」

宮田諭

選手として、スポーツディレクターとして、とにかくB2昇格

「バスケを辞めたいと思ったことはない?」そんな質問に、宮田さんは間髪入れずにこう答えた。

「ないですね……。今でも、毎日バスケが面白いし、楽しい。続けているモチベーションも、それ以外にないんですよね」

その姿勢がおそらく、一回り以上年齢が下になる現役選手に大きな刺激を与えているのだろう。ただ、本人はそれも否定する。

「たとえば、背中で引っ張るとかそういう意識も全然なくて。むしろ、僕が彼らについていうので精一杯。みんな良いヤツらだから僕のことをそう言ってくれますけど、そんな意識はまったくないです」

ちなみに、TUBCの現体制はヘッドコーチなどの首脳陣も含め、スタッフはほとんどが宮田さんよりも年下だ。そこにある種の「やりにくさ」はないのだろうか。

「僕は年齢は関係ないと思っています。スタッフも選手も、TUBCが強くなることにコミットしていて、その分は共有できている。年上とか年下とか、そういう意識はないし、逆にそこを気にしてしまうような人はこの世界では生き残れないんじゃないかな」

プレイヤーとして、チームをマネジメントする立場として、目指すべきはB2昇格に他ならない。

「とにかく、B2昇格。再来年からリーグが再編されるので現行制度での『昇格チャンス』は今シーズンが最後。選手たちも『上に上がりたい』というモチベーションは在籍年数が重なるほど強くなると思うんです。そういう意味では1年目より昨シーズン、昨シーズンより今シーズン……特に立ち上げから所属している選手はB2昇格を目指す想いは変化しているはずです」

宮田さん自身も、過去2シーズンの「悔しさ」は持ちつつ、それ以外の視点でもチームを見ている。

「僕自身は正直、『カテゴリ』にそこまでのこだわりはないんです。たとえばB3でもレベルの高い相手と毎試合できるのであれば、それはそれでよいかなと。ただ、対戦相手のレベルや周囲を取り巻く環境のことを考えれば、当然ながらB3よりB2、B1の方が上で、ウチの選手たちにもそういう舞台でプレーさせてあげたいなという思いは強いです。僕自身、アマチュアのクラブからトップリーグでプレーした経験もありますけど、やっぱりアルバルクに入る前は『トップのクラブでやりたい』という思いを持っていました。経験しなければ、理解できないことやつかめないものもあるのは間違いないですからね」

自身――というよりはチームの、チームメイトのためにも「上のカテゴリを経験させてあげたい」という思いが強い。B3で2シーズン過ごしたからこそ、新たな経験を積むために、ネクストステージへ――。

TUBCと宮田諭の2024‐25シーズンは、まだ始まったばかりだ。

宮田諭

写真・TUBC提供
文・花田 雪

  • この記事を共有する!
芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内

オススメ記事