10歳ごろから体も心も大きく変わる
小児期、思春期、性成熟期、更年期、老年期と人生の時間を5つの時期に区切る考え方があります。なかでも「思春期」とは、体も心も子どもから大人になっていく発達の時期のこと。だいたい小学校高学年から高校生くらいまでの期間になります。男女で少し差があり、女子は8~18歳、男子は10~18歳ごろといわれています。
WHOの定義では、第二次性徴のはじまりから、性成熟(生殖が可能な時期)までのことを指します。ちなみに第一次性徴は生まれた直後からわかる男女の性器の特徴のことです。この思春期には心と体にさまざまな変化が起こります。心の変化のなかでも、親からの自立が大きな変化。自分で考えて、自分で決めたいと思うようになります。その反面、自立をすることが不安にもなって、自信がなくなったりしてしまうことも。心が不安定になっていて、イライラしてしまい、身近な親にあたってしまうのです。
また、人間関係が複雑になっていくことで、「みんなはどう思っているんだろう」「まわりに合わせないといけないかな」「こんなことをしたら仲間はずれにされるかもしれない」など、他の人がどう思っているのかを考えるようになります。
体の変化
【共通】
- 体毛が増える
- 体重が増え、体が大きくなる
【女の子】
- 胸が膨らむ
- 生理がはじまる
【男の子】
- 声変わりをする
- 精通がある
- 勃起する
心の変化
- 親から自立したい
- 自立への不安や戸惑い
- 同じ価値観をもつ仲間と一緒にいたい
- 自分とは何かを深く考えるようになる
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子
【書籍情報】
『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』
著:高橋幸子
男の子の「気になっているけれど、面と向かっては聞きづらいこと」パパママの「どうやって伝えたらいいかわからないこと」にこたえます!これから思春期を迎える男の子、思春期の入り口に立った男の子が知っておきたい「性の知識」をわかりやすく紹介。マンガ・イラスト図解・全編フリガナつきの読み物で、子どもひとりでも、家族でも読める1冊です。学校では教えてくれない、パパやママも伝え方がわからない、
・これから起こる体の変化と対応法
・家族や友達との距離感が変化し、心にも変化が訪れたときの対応法
・SNSや友達同士の噂に惑わされないための正しい「性の知識」の身につけ方
・体と心の変化に困ったとき、悩んだときの相談先の見つけ方
などを解説。
性教育は子どもを守るだけでなく、子どもの自己肯定感をも高めることができます。誰しも体や心に「境界線」をもっていることを学ぶので、自分も人も大切にできる・人と心地よい関係を築けるようになります。著者は、産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生。全国の小学校・中学校で性教育の講演を行ない、子どもたちの多くの質問に答え続けている高橋先生の、科学的にわかりやすく伝えるコツも満載です。
公開日:2024.08.02