知っておきたい体毛のウソ・ホント
思春期に起こる体の変化のうち、見た目にわかりやすいもののひとつが「毛が生える」ことです。ホルモンの影響で男性は体毛が濃くなりやすく、顔や手足、わきの下、性器のまわり、胸・おなか・おしり・背中などいろいろな部分に毛が生えたり、毛が濃くなったりします。
「体の毛について話すのは恥ずかしい」「できるだけ隠したい」という声も聞かれます。思春期のことを英語で「ピューバティ(puberty)」といいますが、これは「毛が生えるころ」という意味。思春期に毛が目立つようになるのは、正常な発育なのです。
ただし、毛の太さや量は個人差があり、全身にしっかり生える人もいれば、ほとんど生えない人もいます。なぜ毛が生えるのかといえば、毛が人間にとって必要なものだから。それぞれの体毛には、それぞれの役割があります。
気になる体毛のQ&A
たとえばわきの下の毛は、皮膚を汗や摩擦から保護する役割が。性器やおしりのまわりの毛は、その周辺や粘膜を守る役割があります。ひげの役割についてはいくつか説がありますが、「外部からの衝撃やほこりなどから守るため」「温度調節をするため」といった説が有力です。
ちなみに、髪の毛だけが特に多いのは、「暑さ、寒さ、紫外線、衝撃などから頭を守るため」などと考えられています。
とはいえ、もし体毛が気になるようであれば、自分でケアすることもできます。ワックス、脱毛クリーム、レーザー脱毛など方法はいろいろありますが、自宅で行うには「カミソリ(剃る部分に合った肌専用のもの)」や「電気シェーバー」を使ったケアがおすすめです。
シェービングクリームやジェルで肌を保護したうえで、しっかり剃るには「カミソリ」、肌に優しくけがをしにくいことを優先するなら「電気シェーバー」と、それぞれ特徴があります、使うときは、カミソリの刃の部分を触ったり落としたりしないよう、注意してください。けがを防ぐためにも、最初は大人といっしょに使うとよいですね。
また、使った後は水洗いして自然乾燥させ、湿気の少ない場所で保管します。清潔な状態を保ったり肌を傷つけないためにも、刃は定期的に交換するようにしましょう。
ONE POINT
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子
【書籍情報】
『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』
著:高橋幸子
男の子の「気になっているけれど、面と向かっては聞きづらいこと」パパママの「どうやって伝えたらいいかわからないこと」にこたえます!これから思春期を迎える男の子、思春期の入り口に立った男の子が知っておきたい「性の知識」をわかりやすく紹介。マンガ・イラスト図解・全編フリガナつきの読み物で、子どもひとりでも、家族でも読める1冊です。学校では教えてくれない、パパやママも伝え方がわからない、
・これから起こる体の変化と対応法
・家族や友達との距離感が変化し、心にも変化が訪れたときの対応法
・SNSや友達同士の噂に惑わされないための正しい「性の知識」の身につけ方
・体と心の変化に困ったとき、悩んだときの相談先の見つけ方
などを解説。
性教育は子どもを守るだけでなく、子どもの自己肯定感をも高めることができます。誰しも体や心に「境界線」をもっていることを学ぶので、自分も人も大切にできる・人と心地よい関係を築けるようになります。著者は、産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生。全国の小学校・中学校で性教育の講演を行ない、子どもたちの多くの質問に答え続けている高橋先生の、科学的にわかりやすく伝えるコツも満載です。
公開日:2024.08.03