信頼できる大人って、誰?
もし、予期せぬことが起きて悩んだときに、相談できる相手がいるととても心強いものです。
日頃から、なんでも相談できる大人の相手が必要です。日常の小さな悩みから、性に関する悩みまで気軽にできるとよいですね。その相手が親だとよいのですが、親だからこそ心配させたくないから話せない、親にはいえないと思うことも多いものです。
親以外では、小さいころから知っている友達のお父さん・お母さんもよいでしょう。男の子の場合、異性であるお母さんやママ友だと余計に話しにくいということがあれば、同性の親戚の年上のお兄さんや先生、もちろんお父さんでもよいでしょう。
または、電話やメール、チャットなどで専門機関に相談する方法もあります。匿名で相談ができるので、身元を知られることがなく、だからこそ、オープンに話せることもあります。このような相談できる先が、3箇所くらい常に思いつく状態になっているのが理想でしょう。
では、相談された側としては、どうしたらよいのでしょうか。
まずは、ちゃんと相談してくれたことに「ありがとう」という気持ちを伝えましょう。「いいにくいことなのに、相談してくれてありがとう。大丈夫だよ」と受け止めて安心させることが一番です。受け止めてくれたという経験によって、また今後困ったときに、相談できるようになるかもしれません。
次に相談内容について否定しないこと。「本当にそんなこと、あったの?」「勘違いじゃないの?」「なんでにげなかったの?」など疑ったり否定をしたりしてはいけません。「せっかく相談したのに余計に傷ついた……もう相談なんてしない」と思い詰めてしまうかもしれません。
また相談された側としては、今後どうしたらよいかという自分の意見を押しつけないこと。どうするかを決めるのは相談者自身です。「こういう方法もあるよ」「こんな相談先もあるみたいだよ」「話は、いつでも聞くよ」など選択肢を一緒に探したり、話を聞くというだけでも違います。
そして、相談内容は秘密にすること。秘密で相談をしたのに別の人がその人のことを知っていたとき、相談者はとても傷つきます。もし、解決できそうにない、専門家に相談したほうがよい場合には、大人がちゃんと専門家までつなぐようにしましょう。もし相談者が自分で専門家に相談できる年齢ではなかったら、代わりに匿名で相談をしてもよいでしょう。
相談されたときに大切なこと
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子
【書籍情報】
『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』
著:高橋幸子
男の子の「気になっているけれど、面と向かっては聞きづらいこと」パパママの「どうやって伝えたらいいかわからないこと」にこたえます!これから思春期を迎える男の子、思春期の入り口に立った男の子が知っておきたい「性の知識」をわかりやすく紹介。マンガ・イラスト図解・全編フリガナつきの読み物で、子どもひとりでも、家族でも読める1冊です。学校では教えてくれない、パパやママも伝え方がわからない、
・これから起こる体の変化と対応法
・家族や友達との距離感が変化し、心にも変化が訪れたときの対応法
・SNSや友達同士の噂に惑わされないための正しい「性の知識」の身につけ方
・体と心の変化に困ったとき、悩んだときの相談先の見つけ方
などを解説。
性教育は子どもを守るだけでなく、子どもの自己肯定感をも高めることができます。誰しも体や心に「境界線」をもっていることを学ぶので、自分も人も大切にできる・人と心地よい関係を築けるようになります。著者は、産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生。全国の小学校・中学校で性教育の講演を行ない、子どもたちの多くの質問に答え続けている高橋先生の、科学的にわかりやすく伝えるコツも満載です。
公開日:2024.08.14