犯罪者のなかにサイコパスはいったいどれくらい含まれているのでしょうか?
サイコパスの定義によっても変わりますが、カナダの犯罪心理学者ロバート・ヘアの研究では、刑務所にいる受刑者のおおよそ20%を占めるという結果が出たそうです。さらに、重大犯罪に絞ると、その割合は50%を超えていました。
世の中にサイコパスが存在する割合から考えれば、サイコパスが犯罪を犯す確率が高いことは間違いありません。
また同調査によれば、サイコパスの累犯率(るいはんりつ)は普通の犯罪者の2倍、暴力的な犯罪の場合は3倍以上だったそうです。
前述したようにサイコパスは反省する可能性が低く、欲望や衝動を抑えられません。そのため、累犯率が高く、かつ「ムカついたので殴った」といった、衝動的な暴力事件を起こしやすいことが、この調査結果からも見えてきます。
【書誌情報】
『あなたの近くの危険な人物 図解 サイコパスの話』
著:名越康文
サイコパスとは、犯罪を平然と犯す、平気でウソをつき人を欺き騙すなど「反社会的な人格」を持つ人を指す。感情に乏しく、「共感性」がない「冷徹」な人間で、人を支配したがり、目的のためには手段を選ばないーーそんな人間があなたのまわりにもきっといる!本書は心理学の面に焦点をあて、社会にまぎれ、職場、学校、サークルなどあらゆるコミュニティに、100人に1人の割合で存在すると言われるサイコパスを、よりわかりやすく図解する1冊。
公開日:2021.09.09