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勝負事の際に知っておきたい勝つだけが最善でない場合がある理由とは!?【孫子の兵法】

Text:島崎晋

争わずして相手を屈服させるのが最善の策である

戦争には勝たねばならない。しかし、戦場で命の奪い合いをするだけが戦争ではない。

一戦も交えることなく敵国を屈服させるのが最善の道で、戦闘による勝利は次善の策である。最善の策が実れば、自軍の損害も皆無なうえ、相手国の戦力をまるまる味方にすることができるからである。

戦闘による「勝利」をさらに細かく区分すると、敵国とその友好国の関係を断ち切ることが最善で、野戦での勝利がこれに次ぎ、籠城戦の勝利はもっとも拙劣な策といえる。

戦争に限らず、争い事はおしなべて早期決着させるのが賢明である。この道理は現代社会にもあてはまる。相手を徹底的に叩くのではなく、無傷で自分の陣営に取り込むのが最良のやりかたで、これならば力を一挙に倍増させることができる。

次善の策としては、相手を弱体化させ、有利な態勢を築いたうえで話し合いを持ちかけるやりかたが挙げられる。

不利を自覚している相手は譲歩せざるをえず、相手が譲歩したら、こちらも寛容な態度でそれを受け入れ、円満な解決へと導くとよい。そうすればしこりが残ることも少ないからだ。

いちばんの愚策は相手を力でねじ伏せるやりかたで、これでは勝利を得ても満身創痍で、トータルの力はかえって衰える。これでは元も子もあるまい。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』
著者:島崎晋

新紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。

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