ヘッド側がグリップエンドをトゥがヒールを追い越しながら打つ
スイングメカニズムについてお話する前に、クラブについて触れておきます。クラブの使用条件は以下のふたつです。
① ヘッドがグリップエンド側を追い越しながらボールを打つ
② ヘッドのトゥがヒールを追い越しながらボールを打つ
どんなメソッドにも、これらを満たすことが求められます。
①は回転運動でクリアできます。
②については軸の延長上にインパクト面がない道具の性格上、ヒットした瞬間に当たり負けますが、クラブにはその予防機能があります。
それがライ角。ライ角が90度なら完全に当たり負けますが、斜めなのでヘッドが弧を描く。しかもヒールが描く弧よりトゥが描く弧が大きく、トゥ側が重いぶん速度も速く慣性モーメントも大きい。ゆえに当たり負けが減少するのです。
ただし、この機能を利用するにはクラブをインサイドから下ろすのが絶対条件。斜めのクラブを斜めに振れるキープレフトではインからしか下りないので、ヘッドをターンさせる発想は無用です。
出典:『世界が認めた究極のシンプルスイング キープレフト理論』著/和田泰朗
【書誌情報】
『究極のシンプルスイング キープレフト理論 実戦強化編』
著者:和田泰朗
ゴルフスイングは一般的に「振り子運動」ととらえられている。本書のスイング論である「キープレフト理論」は、クラブを体の左サイドにキープして振る考え方。クラブのグリップエンドからシャフトがもっと長くのびていて、それが体の左サイドにずっとあるように振るイメージで、スイングを「吊り子運動」を考えている。振り子運動に比べリストコックやアームローテーションへの意識は不要で、スイングの動きがシンプル、再現性が高いスイングといえる。スイングに不安を持つアマチュアゴルファーに、ぜひすすめたい。本書は、2019年に刊行した『究極のシンプルスイング キープレフト理論』に続く著書。前作のテーマ「スイング作り」を、今回は「スコア作り」に変え、「キープレフト理論」を駆使したラウンド実戦法写真を多用してわかりやすく解説する。この理論の考案者・和田泰朗プロは、世界的ティーチングプロ団体WGTF(World Golf Teachers Federation)の一人で、会員の1%しかいない「マスター」の資格を取得。さらにこの理論が認められて2019年、WGTFのティーチングプロ・トップ100に選ばれている。また、2020年には女子プロのトーナメントを運営するなど、その活動が注目されている。
公開日:2021.10.03