トイレの場所を変えたら要注意
犬の嗅覚がとても鋭いのはご存じのとおり。そのためでしょうか、犬はのべつまくなしに、あちこちのにおいをかぎまくっています。これは、自分のなわばりを確認する行為です。敵や他の犬がなわばりに侵入していないかどうか、必死に確かめているのです。
「ウチは一匹しか犬を飼っていないし、ネズミも出ない。だから、このまま放っておいて大丈夫」と思ったら大間違い。敵がいないことを確認した犬は、自分のにおいをつけるためおしっこをするからです。つまり飼い犬がクンクンとにおいをかぎ回りはじめたら、できるだけ早くトイレへ連れて行ったほうがいいということです。
いつも同じ場所でおしっこをしてしまうという犬がいます。そのたびにきつく叱り、一生懸命に床を拭くのですが、ちょっと目を離すとすぐそこへ行こうとします。人間にはわからなくても、犬にはおしっこのにおいがするのです。
こんなときは、犬にはちょっとかわいそうですが、脱臭剤や漂白剤などを使ってこれでもかというほど床を拭き、さらに犬が嫌うにおいのスプレーなどを吹き付けておきましょう。こうしておけば、あきらめてトイレでおしっこをするはずです。
とくにトイレの場所を変えたり、引っ越した直後には、どこで用を足せばいいのかわからなくなり、自分のにおいが残っているところでおしっこをしたがりません。こんなときは、他の犬のおしっこを少しふくませたシーツをトイレに置いておくといいでしょう。
ちなみに、犬はよほど若いか年老いないかぎり、粗相をすることはありません。怒るだけではなく、トイレを使わないのには何か理由があると考え、犬の気持ちになって調べてみましょう。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.13