さびしい気持ちを表現している
映画などで犬の遠吠えが聞こえてくると、恐ろしい気分になりますね。いつ野犬に襲われてもおかしくない状況を想像してしまいます。
しかし遠吠えは、「さびしい」という気持ちの表現。もし、次のシーンで主人公に向かって犬が飛びかかってきたとしても、それは襲おうとしているのではなく、「やっと人間に出会えたよ。うれしいよ」という喜びを表している可能性のほうが高いのです。
都会で暮らしていても、どこかから犬の遠吠えが聞こえてくることがあります。きっとその飼い主は、いつもより帰宅が遅いのでしょう。犬は「ご主人様の帰りが待ち遠しいよ」と思いながら、遠吠えをしているのです。
じつは、オオカミの遠吠えも、さびしいためにしているのではないかといわれています。オオカミは基本的に群れを作って生活する動物ですが、なんらかの事情で群れからはぐれてしまったオオカミが「さびしいよ」「オレはここにいるから、みんな来てくれ」と訴えているのが遠吠えだというのです。
でもこう考えると、ホラー映画などのワンシーンで犬の遠吠えが聞こえてきても恐ろしくなくなりますね。ちなみに、犬が悲しさやさびしさを感じたときに「クーンクーン」と高い声で鳴くこともあります。
一般的に犬の吠え声というのは、高くなればなるほど恐怖や恐れ、不安などが強いことを表します。ケンカに負けて逃げ出すときなどに「キャンキャン」と鳴くのがその典型です。逆に、吠え声が低いのは怒っている証拠。「グルル」「ウー」と唸っているときに近づくと、攻撃を受ける可能性があるので注意してください。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.16