宇宙の片隅で、銀河系のはずれにある
私たちが住む地球は、太陽の周りを回っています。太陽は、地球を含めた8つの惑星とたくさんの衛星などで、太陽系というグループをつくっています。
そして、その太陽系は「天の川銀河(銀河系)」と呼ばれる銀河のなかにあり、中心からおよそ2万8000光年の距離にあります。
私たちはつい、地球が宇宙の中心ではないかと思ってしまいがちですが、宇宙には中心も終わりもありません。
全宇宙には1000億個以上の銀河があるといわれていて、天の川銀河はそのなかの1つです。そして、太陽系はその天の川銀河のはずれのほうに位置します。
天の川銀河は約2000億個の恒星と星間ガスという物質によってできています。麦わら帽子を2つくっつけたような形をしていて、真ん中のふくらんだ部分は「バルジ」といい、星やガスなどの物質によってできていて、そのなかに巨大なブラックホールがあると考えられています。
そして、帽子のひさしに当たる部分が「ディスク」。天の川銀河のディスクは渦巻き状になっており、バルジが棒状なので、棒渦巻銀河に分類されます。
この銀河全体を包んでいる、広大で薄い球状の部分を「ハロー」といい、ここには球状星団が分布しています。
そしてハローを包みこんでいるのが、「ダークマター(暗黒物質)」と考えられています。
天の川銀河の直径はおよそ10万光年、バルジの厚さはおよそ1万光年、ディスクの厚さはおよそ1000光年あることがわかっています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。
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公開日:2022.03.01