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月は地球から遠ざかっているの?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

1年に3センチメートルずつ離れている

月と地球との距離は、月が地球を回る軌道が楕円形なので、もっとも離れているときで約40万キロメートル、もっとも近づくときで約36万キロメートルとなります。

ちなみに、地球にもっとも近いときの満月を「スーパームーン」といいます。スーパームーンは、もっとも遠い満月に比べて15パーセント近く直径が大きく見えます。

さて、月が地球から遠ざかっているという話ですが、確かに月は毎年3センチメートルほど地球から遠ざかっています。月が遠ざかるにともなって地球の自転も月の公転も遅くなっています。

月ができたばかりのころの地球は1日8時間ほどの速さで自転していましたが、月が遠ざかるにつれて、自転速度が遅くなり現在は1日約24時間になっています。そして、将来的には1日はもっと長くなるのです。

実は、月が離れていって最後はどうなるかというのはおおよそわかっています。

最後は、地球から見て月は同じ場所に止まって、そこで満ち欠けを繰り返します。そのときの地球の自転は、約47日で1130時間です。

とはいえ、こうなるのは計算上約100~200億年先のこと。100年たってやっと3メートルですから、いまの私たちが生きている間になにかが起こることはないでしょう。

もちろん、遠い将来には人類を含めた地球上の生物にも大きな影響が出ることになるかもしれません。

しかし、それらの変化はゆっくりと進みます。変化に合わせて、地上の生命体もゆっくりと適応しながら進化していくのではないでしょうか。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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