落とす順番は「脂肪肝」→「内臓脂肪」
●肝臓に脂肪がたまる、脂肪肝は万病のもとに
糖質のとり過ぎや運動不足が続くと、まず皮下脂肪がたまり、次に内臓脂肪が蓄積します。さらに余った脂肪は、内臓や筋肉などにつく異所性脂肪として蓄積されていきます。異所性脂肪のうち、最も注意が必要なのは肝臓につくものです。健康な肝臓は、脂肪の量が全体の3~5%ですが、20%を超えると「脂肪肝」と診断されます。脂肪肝は自覚症状がないため気づきにくく、進行すれば肝臓がんにつながることもあります。
肝臓を構成する肝細胞からは、様々な酵素が分泌され、「栄養の代謝」「解毒作用」「胆汁(消化液)の生成」といった重要な役割を果たしています。脂肪肝になると、たまった脂肪がこれらの働きを阻害するため、体のあちこちに悪影響を及ぼし、結果的に生活習慣病を誘引してしまうのです。また、脂肪肝になると肝臓の代謝機能(体にとり込まれた栄養素を体に役立つ形に変える働き)が低下して、糖の代謝や血糖値を安定させる働きも悪くなります。痩せやすい体を手に入れるためには、まず脂肪肝を治すことが大切になります。
●脂肪が最もたまりやすいのは肝臓
異所性脂肪がつきやすく、注意が必要な臓器が「肝臓」です。肝臓に脂肪がつき過ぎると「脂肪肝」と診断され、たまった脂肪により肝臓の機能が低下してしまいます。
生活習慣病の樹
●脂肪肝を治さなければ痩せられない!
脂肪肝は、高血圧や糖尿病など様々な生活習慣病のもとになっていると考えられます。進行すれば肝臓がんになるなどのリスクもあります。
【出典】『ストレス0!で内臓脂肪が落ちる食べ方』
監修:栗原毅 日本文芸社刊
監修者プロフィール
1951年、新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶応義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく予防にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとり。『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』(日本文芸社)をはじめ、著書・監修書多数。
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ストレス0で内臓脂肪を落とす食べ方を、写真、イラストでわかりやすく紹介します。また、家にいると楽しみはお酒、という人も多いですが、ネットなどで当たり前になっている『休肝日は週2日以上』『ビールは1日中瓶1本が適量』といった健康法ではなく、肝臓の専門医が教える最強の飲み方を大公開します。「名医が教える究極のPFCバランス」「過度な糖質制限は逆にリスク」「健康数値が良くなる最強のおつまみ」「内臓脂肪が付きやすい食材はコレ!食べるならどっち!?」など、誰でも取り組みやすくわかりやすい内容で楽しみながら健康知識が身につきま
公開日:2022.04.11