化石に残る病気の痕【古生物の話】

ティラノサウルスも感染症に苦しんだ!?
恐竜などの化石になっている古生物にも、生きている当時にかかった病気の痕が残っています。
トリコモナスは、現代のヒトや鳥に感染する微生物です。じつは、白亜紀(約1億4500万年前から約6600万年前)のティラノサウルスの化石からトリコモナス感染症の痕跡が見つかっています。
SUE(スー)と呼ばれるこのティラノサウルスの化石は、保存状態のよい全身骨格として世界的に有名なものです。
スーの化石のアゴには穴があり、トリコモナス症に感染した痕跡とされています。現在の鳥のアゴにも同様の症例が見られることから、このように考えられています。

このほかにも、恐竜の化石には骨折した形跡があるものが複数見つかっています。なかには、折れた後にくっついて治ったことが見て取れるものもあります。
また最近では、骨にガンがあったことがわかった恐竜の化石も報告されています。 恐竜たちもケガや病気に苦しむことがあったのでしょう。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』
著者:大橋智之 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
大橋智之(おおはし・ともゆき) 北九州市立自然史・歴史博物館 学芸員。古脊椎動物担当。1976年、福島県生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。日本古生物学会会員。

「古生物って、いったいなに?」「どうして絶滅した生物の生態や色がわかる?」素朴な疑問形式で、太古に生きた古生物のキホンとディープな魅力を紹介。触手が特徴のアノマロカリス、丸ノコギリのような歯をもつヘリコプリオン、進化の懸け橋のティクターリク、超巨大トンボのメガネウラ、中生代最後の暴君竜、ティラノサウルス……。古生代、中生代、新生代のスゴくて面白い絶滅古生物約50種を、リアルなイラストとともに解説しました。最新の研究成果でそのユニークな特徴を余すところなく伝えます。奇妙でかわいい、スゴくて個性的!太古の生物の魅力が存分にわかります。いま最もホットな話が満載。古生物の魅力と謎が図解イラストで楽しくわかるエンターテインメント教養本です。
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