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AIが変えること 土木・建築現場【AIとテクノロジーの話】

Text:三宅陽一郎

危険な場所や見えない場所にも楽々到達

これまで、多くの作業が人力かつ力仕事だったのが、土木・建築現場でした。近年では人手不足な上、長年の景気低迷によるコスト削減圧力、複雑な施工工程の効率化、下請け企業との連携など問題が山積しており、中でも人手不足は深刻な問題でした。そこで、無人機やAIの助けを借りて問題を一気に解消する動きが活発化しています。

建物を建てる前には測量を行いますが、これまでは専門家が測量技術を用いて地上または航空機で測量を実施してきました。しかしドローンで空から地面の様子を撮影すると、3Dデータへの変換が容易な上、測量時間と費用も安くなります。また、複雑な地形や崖のある危険な場所などでも測量が可能です。

そして、ダンプトラックやブルドーザーなどの重機も自動制御または半自動制御が可能となっています。そこにはAIによる自動運転、GPSやスキャナーなどによる自車位置測定と周辺環境の把握技術が組み合わされています。

このほか、資材の搬送、溶接、工事といった現場作業用のロボットも、実証実験の結果、予想以上の成果が得られています。清水建設はレーザーセンサーで空間を認識し、障害物を避けつつ資材を無人で運ぶことができる資材搬送用ロボット、鉄骨溶接ロボット、床材の施工や天井ボード貼りができる多能工ロボットなどを開発しており、これらを導入することで7割近くの作業員が削減できるとしています。

こうした土木・建築現場で大いに威力を発揮しているのが、ベテラン作業員のテクニックを学習したAI。将来的に人間の作業は、セッティングと運行管理が中心になっていくことでしょう。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 AIとテクノロジーの話』
監修:三宅陽一郎  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
ゲームAI開発者。京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院理学研究科物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、人工知能研究の道へ。ゲームAI開発者としてデジタルゲームにおける人工知能技術の発展に従事。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会チェア、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理 事、人工知能学会編集委員 。


進化し続けるAI(人工知能)とテクノロジーにより「シンギュラリティ」は刻々と近づいている。ビッグデータ、IoT、ディープラーニングをはじめ注目の仮想通貨・ブロックチェーン・MRなど、知らないではすまされない最先端の技術革新と私たちの近い未来の「変わる生活」をについて、科学オンチにも身近で大切な話題を中心テーマにわかりやすく図解した一冊!

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