薬品によるやけど
熱ではなく、薬品の作用でやけどを負うこともある。多くは流水で洗い流すとよいが、水がつくとさらに発熱する薬品もあるので要注意。たとえば工場で使用する塩酸などが皮膚に触れるとやけどが生じる。症状は熱湯や火によるやけどと同じで、「皮膚が赤くなる」、「ヒリヒリする」など。やけどの可能性がある薬品を扱う際には、十分な注意が必要である。
【応急手当】
①やけどの原因を把握する
やけどを引き起こす可能性があるのは、酸、アルカリなどの刺激性の化学物質。注意が必要なのは粉末マグネシウムや生石灰で水に触れると発熱する。原因としては塩酸などを使った実験で、誤ってその薬品が皮膚に触れることなどがある
やけどの可能性があるもの
・カーバッテリー酸 ・清掃用製品
・漂白剤 ・義歯洗浄剤
・歯のホワイトニング製品
・プールの塩素化製品
・乾燥剤などに用いられる生石灰
・実験などに使用する粉末マグネシウム
とくに注意(水で洗い落とさない)
・乾燥剤などに用いられる生石灰
・実験などに使用する粉末マグネシウム
②患部を冷やす(薬品によっては払い落とすだけ)
基本的には、すみやかに原因の薬品を拭き取り、流水で冷やす。原因が水に触れると発熱するものの場合は、すみやかに病院へ。
③目に入ったら洗い流す
薬品が目に入ったら少量でも洗い流し、口に入ったうがいをして吐き出す。いずれも専門医を受診するのが基本で、状況によっては救急車を呼ぶ。
出典:『図解 応急手当ハンドブック―アウトドア レスキュー 家庭』
【書誌情報】
『図解 応急手当ハンドブック―アウトドア レスキュー 家庭』
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公開日:2022.09.11