指文字(50音)とは
手話で50音にあたるのが、この指文字です。濁音「゛」、半濁音「゜」、促音「ッ」、拗音「ャ」、長音「ー」も表せます。ここでは、右手で表した絵を、相手から見た形で載せています(左手でもいいです。)「あ」~「ん」まで、順番に覚えなくてもかまいません。さあ、自分の名前は、どうやって表すのでしょうか?やってみましょう。
あ行・・・「あ」は親指を、横に出したグーの形。「a」と同じ手話。「い」は小指を立てる。親指は中でも外でもよい。「i」と同じ手話。「う」は人差し指と中指を立てる。「u」と同じ手話。「え」は指の腹を第1関節につけるようにする。「e」と同じ手話。「お」は手を筒のように丸める。「o」と同じ手話。
か行・・・「か」は人差し指を立て、中指の第2関節に親指をつける。「き」は影絵のときのキツネの形にする。「く」はそろえた4本指を第1関節で少し内側に曲げる。数字の「9」と同じ手話。「け」は敬礼のように指を立て、親指を曲げる。「こ」はカタカナの「コ」の上の部分のように直角に曲げる。小指を相手に見せる。
さ行・・・「さ」はグーの形。親指は外に出す。「s」と同じ手話。「し」は親指を立て、人差し指と中指を横にする。数字の「7」(“しち”から)。「す」は自分から見て、カタカナの「ス」に見えるようにする。「せ」は中指を立て、他の指は握る。背骨の「せ」。「そ」は目の前のものを「それ」と指差すしぐさ。
た行・・・「た」は親指を立て、握りこぶしをつくる。親指の腹を相手に見せるように。「ち」は小指を立て、他の指先を合わせる。「つ」は小指と薬指を立て、親指の先に人差し指と中指の先をつける。「て」は指をそろえ、手のひらを相手に向け「手」を表す。「と」は人差し指と中指を立てる。
な行・・・「な」は人差し指と中指を下に向ける。「n」も表す。「に」は人差し指と中指を横にする。漢数字の「二」と同じ手話。「ぬ」は人差し指をカギ型に曲げると「盗む」を表す。「ね」は木の根のように下向きにして開く。「の」は人差し指でカタカタの「ノ」を空書する。
は行・・・「は」は人差し指と中指を前方斜め下に出す。「h」と同じ手話。はさみの「は」。「ひ」は人差し指を立て、指の腹を相手に向ける。数字の「1」(“ひとつから)。「ふ」は自分から見て親指と人差し指でカタカナの「フ」をつくる。「へ」は手を下向きにし親指と小指を出して、「へ」の形をつくる。他の指は曲げる。「ほ」は手の甲を相手に向け、指全部を少し内側に曲げ、ヨットの帆を表す。
ま行・・・「ま」は人差し指、中指、薬指を開いて伸ばし下に向ける。「m」もあらわす。「み」は人差し指、中指、薬指を横にする。漢数字の「三」(“みっつ”から)。「む」は親指と人差し指でL字をつくる。数字の「6」(”むっつ”から)。「め」は親指と人差し指をつけ、他の指は立て、目の形をつくる。「も」は親指と人差し指を合わせる。
や行・・・「や」は小指と親指を立て、他の指は握る。「Y」と同じ手話。「ゆ」は手の甲を相手に向け人差し指、中指、薬指を立て、温泉マークをつくる。「よ」は手の甲を相手に向け、親指以外の指の間を少し開き、横に出す。
ら行・・・「ら」は人差し指に中指をからませる。「r」と同じ手話。「り」は人差し指と中指の2本で「リ」を書くようにする。「る」は小指と薬指を折り、他の指を立てて相手から「ル」に見えるようにする。「れ」は親指と人差し指を立て、相手から見て「レ」になるようにする。「ろ」は人差し指、中指を合わせてカギの形にする。
わ行・・・「わ」は手のひらを相手に見せ、人差し指、中指、薬指を立てる。「W」と同じ手話。「を」は「お」と同じくし、手前に引く。「ん」は人差し指でカタカナの「ン」を空書する。
そのほかの指文字・・・「び/濁音」はそれぞれの形をつくり、右横に動かす。「ぴ/半濁音」はそれぞれの形をつくり、上げる。「長音」は人差し指を伸ばし、上から下に下ろす。タクシーの「ー」のように伸ばす部分の表現の仕方。「促音」は「つ」を手前に引く。「拗音」はそれぞれの形につくり、手前に引く。
出典:『動画で学ぶ やさしい手話』
【書誌情報】
『動画で学ぶ やさしい手話』
著:豊田 直子
まったくの初心者でもわかりやすい、オールカラーの写真とイラストで覚える手話の本。必要性の高い日常会話、基本会話は245のQR動画でも表現。また、あいさつ、買い物、食事、トラブル、交通、病気など状況に別解説し、新しい語彙を加えた豊富な手話単語集を収録。困ったとき、迷ったときに頼りになる手話入門に最適の一冊。
公開日:2022.12.02