大人も子どももネット依存!?
SNSでの交流や情報検索、ネットゲームでの気分転換など、スマートフォン1つであらゆることができます。日常生活にあるのが当たり前になった身近なツールですが、便利であるがゆえに、インターネットにのめり込む人が増えています。様々な呼び名がありますが、大石クリニックではスマホやゲームを過剰に使用したことが原因で健康面や日常生活に支障をきたした状態を総称して「ネット依存」と表現しています。ネット依存は、大きく「ゲーム障害」と「スマホ」「依存」に分けられます。ゲーム障害はICD・11(国際疾病分類第11版)にも加わった世界的にも注目されている障害で、患者の多くが10代の男性。
一方、友人からの連絡が気になって食事中もスマホを手放せないスマホ依存は、10代の若い女性が中心です。ゲームやスマホの操作が4時間を超えるような日が続いていると、ネット依存の可能性があります。その状態を放置すると、睡眠不足や昼夜逆転の生活、成績不振、情緒の乱れなどが起き、うつや不登校を招くことにもなりかねません。10代の若者だけでなく、一人暮らしや結婚、出産といった環境の変化がきっかけで大人が発症してしまうケースもあります。スマホの使いすぎによる睡眠トラブルやミスの増加、メンタルの不調などが起きていないか、ときどきチェックしてみましょう。
ネット依存は若い男性に多い
スマホは便利で日常生活を豊かにしてくれますが、ゲームやSNSなどにのめり込みすぎると、治療が必要なネット依存に陥ることがあります。
2022年 年齢別のネット依存の新規患者数
10代の男性が圧倒的に多い!
スマホの普及で患者が急増!
仕事や学業、人間関係に支障が起きていてもやめられないネット依存は10代を中心に増加し、年々問題が深刻化しています。
ネット依存ってどんな状態?
単なる「好き」「やりすぎ」とは違います。昼夜逆転の生活や心身の不調、不登校などに陥っても、自分の意志ではやめられなくなった状態です。
1日の使用時間が4時間を超えている
イライラしたり遅刻や不安になる
学力が下がったり不登校になる
出典:『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』大石 雅之
【書誌情報】
『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石 雅之 著
特定の物質や行動をやめたくてもやめられない病の「依存症」。スマートフォンの普及や時代の変化にともない、依存症の種類も多様化しました。「スマホ依存」「ゲーム障害」などの言葉は、テレビやインターネットのニュースで目にする機会も増え、社会問題として注目されています。依存症は一度症状が出てしまうと完治が難しい病気です。本書はその依存症について具体例を交えながら、依存する人としない人の違いや依存症の進行の仕方、依存症が起こるメカニズムなどを、メンタルマネジメントや環境、生活習慣の観点から図解でわかりやすく解説。
公開日:2023.08.13