感情的にならずに焦らずに別居は計画的に準備する
別居時の注意点や持ち物
話し合いのときに感情的になってしまい話が進まないときは、冷静になるために別居して距離を置くのもひとつの方法です。別居をするときは、やみくもに家を飛び出すのではなく、計画的に行います。
家を出るのであれば、住まいを確保し、当面の生活費を用意する必要があります。その場合は、別居期間中の婚姻費用(→P.38)についても話し合っておきましょう。
離婚後に親権を取りたいのであれば、子どもを置いて自分だけ別居することは避けましょう。のちに調停や裁判で親権を争うことになった場合、同居している親が有利になるからです(→P.70)。
持ち出す物は、左ページのリストに書かれている物を優先しましょう。このほか、結婚前から持っている物や、自分の所有物であることが明らかな物は、持ち出しても問題はありません。
黙って家を出る場合の注意点
夫婦は同居する義務があるので、別居するときは、原則として配偶者の合意が必要です。ただし、相手からDVやモラハラを受けていて合意が難しい場合や、相手方に不貞などの明確な非がある場合、何度話し合っても平行線のままの場合などは、合意がなくても別居をすることもあるでしょう。
今後の話し合いのためにも、別居先の住所は、相手に知らせておくようにします。ただし、DVなどが原因の場合は知らせる必要はありません。相手が不在のうちに家を出る際は、別居の経緯についての証拠を残すため、置き手紙を残しましょう。
ポイント
◯関係修復か離婚かを決断するためにも別居は有効。
◯置き手紙を書く際は、感情的な言葉は書かない。
別居するとき押さえておくべきこと
別居するときの主な持ち物
結婚後に夫婦で使っていた物は、合意のうえで持ち出すようにしましょう。
置き手紙の書き方(例)
ここに注意
●別居の理由を書く
●あとで証拠になることも考え、事実を淡々と書く
●相手を非難する感情的な言葉は書かない
●理由が DV の場合は、連絡先を知らせる必要はない
【森元先生からのアドバイス】荷物は別居したあとに渡してもらうよう請求できると思われがちですが、実際には裁判で物の引渡しを請求することはほぼ不可能です。相手が生活に困る物まで持ち出してはいけませんが、自分の貴重品はなるべく忘れずに持って出るようにしましょう。
【出典】『増補改訂版 前向き離婚の教科書』著:森元みのり
【書籍情報】
『増補改訂版 前向き離婚の教科書』
著:森元みのり
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公開日:2024.06.24