JRA唯一の直線重賞アイビスSD
今週はJRA唯一直線1000mを有する新潟競馬場で、JRA唯一の直線重賞「アイビスサマーダッシュ」が行われる。
直線を走るだけだから簡単なのでは⁉いえいえ、これが結構難しい。そもそも、馬は自力では真っ直ぐ走れない動物。騎手が制御しなければ、かなりフラつくことになり、苦手な馬にとっては直線だけのレースは不利なのだ。
またこのアイビスサマーダッシュは距離が1000mとJRAのレースの中では、一番短い。
そのため斤量の差が影響しやすく、結果斤量が牡馬より軽い牝馬が、昨年までの19回中12回も勝っている(斤量差と距離:距離が短くなるほどダッシュ力が鍵となる。斤量が重いとダッシュしづらく、それを巻き返すにも距離が短いので、巻き返せずにゴールすることになる。距離が短くなればなるほど斤量差の差が出やすい)。
さて今年も牝馬が勝つのか?1分以内で決まる直線重賞アイビスサマーダッシュ!!その前に、このアイビスサマーダッシュを勝った個性馬を紹介しよう。
回る、回るよ、ハクサンムーンは回る
2013年勝馬「ハクサンムーン」
2012年に条件馬ながら、格上挑戦でアイビスサマーダッシュに出走。結果4着と直線の適正を見せる。その後、条件戦を勝ち上がり、11月に京阪杯(GⅢ)勝利で重賞馬の仲間入り。
翌2013年は、高松宮記念(GⅠ)でロードカナロアの3着に敗れるも、夏にアイビスサマーダッシュ(GⅢ)、セントウルS(GⅡ)を連勝しサマースプリントシリーズのチャンピオンとなる。
しかし秋にはスプリンターズS(GⅠ)で、またもロードカナロアの2着と敗れる。
その後2016年まで、現役を続けるも、2着どまりで勝つことは出来ず引退する。
現在は種牡馬として生活を送っている。
このハクサンムーンは、馬場入りした時に見せる癖で人気となっていた。
それは「旋回癖」。犬が尻尾を追いかけてグルグルするのと同じように、騎手を乗せるとグルグルと回転して、落ち着くと待機所へ向かっていた。
この旋回癖、あまり回らないときは、調子が良くなく成績もイマイチなことから、
ファンは、この旋回を何回するか常に気にしていた。
強さだけではなく、グルグル旋回の個性で、競馬ファンを楽しませた個性馬だ。
JRA唯一の直線重賞の発走は、7月26日 新潟競馬場 11レース 15時45分予定。
公開日:2020.07.25