太りにくい“ベジファースト”とは?
同じメニューを食べても、食べる順番によっては太りやすさに大きな違いが現れます。カギを握るのは血糖値です。食事をすると食べ物に含まれる糖が小腸から吸収されます。糖が血管内に入ると血糖値が上昇し、すい臓からは「インスリン」が分泌されます。
インスリンの働きによって糖は体中の細胞に取り込まれるほか、肝臓や筋肉に蓄積され、エネルギー源として利用されます。ところが、たくさんの糖が一気に吸収されると血糖値は急上昇。インスリンの働きが追いつかず、糖の余った状態になります。
余った糖はエネルギーとしてすぐには使われず、中性脂肪として脂肪細胞へと取り込まれることになり、これが肥満へとつながってしまうのです。
こうした状態を防ぐには、糖質の多いごはんやパンなどの主食を後回しにし、野菜を最初に食べる「ベジファースト」が有効。野菜に含まれる食物繊維が糖の吸収スピードを緩やかにするため、血糖値の急上昇が抑えられ、糖が中性脂肪に変わるのを防いでくれるのです。
血糖値の急激なアップダウンが繰り返されると、やがてインスリンの働きそのものが悪くなり、糖尿病を引き起こすおそれも……。ダイエットはもちろん、糖尿病の予防という意味でも、ベジファーストを習慣にしたいものです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 栄養素の話』
著:牧野直子
シリーズ累計発行部数130万部突破の人気シリーズより、「栄養素」についてフォーカスした一冊。一口に栄養素といっても、その種類や働きは様々なものがあります。また、世間の栄養素に対する考え方として、何となく取らないといけないことは知っている、でもよくわからないし、自分も家族も気にしてないけど、病気になってないから別に栄養なんてどうでもいい、という人は多いと思います。しかし、年齢を追うごとに病院に行ってもよくわからない原因不明の不調などが出てきて、それが栄養不足や栄養過多から来ている、という事実は意外と知られていません。そして、薬では直せないものは栄養不足を解消する事で改善できる、という事が多々あります。そんな絶対に知っておくべき栄養の話を図解、イラストでわかりやすく紹介します。
公開日:2020.08.08