クマも睡眠の質を気にする!? クマたちの工夫された睡眠スタイルとは【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

クマだって安眠したい!工夫された睡眠スタイル

自分だけのくつろぎスペースをつくる

クマといえば地面をどっしり歩くイメージがありますが、実は種類によっては木登りが得意なものもいます。

なかでも、アジアにすむツキノワグマや東南アジアのマレーグマは、木の上での生活に適応していて木登り上手です。昼間の暑さや地上の危険を避けるため、木の枝の上でベッドのような寝場所をつくり、安心して眠ります。ベッドといっても、ただ枝の上に寝そべるのではなく、いくつかの枝を組み合わせて安定させ、葉や小枝を集めて敷くなど、まさに自分だけのくつろぎスペースをつくるのです。また、動物園などでも、器用に木に登って昼寝をする姿が見られます。

では、冬眠も木の上で行うのでしょうか?答えはノーです。冬眠は体力を温存する必要があるため、通常は地面の洞穴や倒木の下、土手のくぼみなど、安全で寒さを防げる場所が選ばれます。たとえ木登りが得意なツキノワグマのようなクマであったとしても、冬眠のときは地上に降りて巣穴を探すのが一般的です。

では、クマの寝姿はどうでしょう?これもクマの種類や寝ている場所によって異なりますが、多くの場合、うつ伏せか横向きで、体を丸めて眠るスタイルが基本です。特に寒冷地では体温を逃さないために、丸くなって眠ります。

快適に寝る工夫

ベッドは高い場所で安心
 天敵や不快な虫などの地上の危険を避けるため、木の枝の上でベッドのような寝場所をつくり、安心して眠る。
枝でふかふかのベッドを作製
 いくつかの枝を組み合わせて安定させ、葉や小枝を集めて敷くなど、居心地のよさを演出。
木陰で暑さを回避
 昼間の暑さから逃れるために、高い場所や木陰を利用する。

クマの睡眠スタイルと時間

マレーグマ

● スタイル:木の上で昼寝
● 時間:1日数時間

ヒグマ

● スタイル:活動期に昼寝と夜休み
● 時間:合計10時間前後

アメリカクロクマ(冬季)

● スタイル:洞穴や土穴、地面のくぼみで冬眠
● 時間:浅い眠りを数カ月

このように、クマは種類によって寝る場所や寝る時間などが異なり、環境に合わせて変化させ、柔軟に適応しています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司


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世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。

しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。

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愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
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