意外!「普通のカモメ」は日本に少ない【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】

日本には「普通のカモメ」が意外に少ない

夏の海にカモメはいない?

海辺でよく見かける鳥といえば「カモメ」。童謡でも親しまれる有名な鳥ですが、実は日本にいるカモメの多くは「カモメ」という和名がついた、いわゆる「普通のカモメ」ではありません。日本でよく見られるのは、東京都の都鳥としても知られるユリカモメや、カモメよりも大ぶりな体を持つオオセグロカモメなのです。

カモメは、冬の間だけ本州から九州の沿岸や河口にやってくる「冬鳥」です。では、海辺で1年を通してよく見られる、カモメによく似た海鳥は何という名前なのでしょうか。

その正体は「ウミネコ」という、日本の周りに生息する鳥です。青森県や山形県などに集団繁殖地があり、天然記念物としても有名です。鳴き声がネコに似ていることから、そのような名前がつけられました。羽の先が黒く、黄色いくちばしと足を持つなど、見た目の特徴がカモメによく似ていることから、同じ鳥だと認識されることが多いのです。

しかし、よく観察してみると、ウミネコはカモメよりも一回り大きく、背中の羽の色がカモメよりも濃いなど、違いが見られます。

童謡に登場する「カモメ」も、特徴的な鳴き声で親しまれているウミネコの可能性があると思うと面白いですね。海に訪れた際は、ぜひカモメとウミネコを探して見比べてみましょう。

誰が本当のカモメ?

ウミネコ

● 黄色いくちばしの先に黒と赤の模様が入っている。
● 尾羽に黒い帯がある。
● 目の周りに赤いリングがある。

 カモメより一回り大きい。一年中日本で見られる留鳥。「ミャーミャー」と鳴きながら、観光船に伴走する姿が人気。

カモメ

● くちばしは全体的に黄色い。
● 背と翼の上面はウミネコよりも薄い灰色。
● 尾羽は白い。

北半球のかなり広い地域で見られる海鳥。日本には越冬のため渡来する冬鳥。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之


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飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。

鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。

「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
「ハゲワシがハゲているのは、ちゃんとした理由がある」などなど
そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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