クマの視力は人より低い? それでも獲物を逃さない驚異の視覚システムとは【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

クマは目が悪いけど、動くものはバッチリ見える!

視力は動きを察知する大切な感覚

 「クマって目が悪いって聞いたけど、じゃあ人を見つけられないの?」。そう思う人もいるかもしれません。確かに、クマの視力そのものは人間よりやや劣るとされており、遠くの静止したものをくっきりと見分けるのは、得意ではないといわれています。

 その理由のひとつが、クマの眼球が頭の大きさに対してやや小さいという特徴。これはカメラでいえば〝レンズの大きさ〟が小さい状態で、細かな識別に少し限界があるということです。しかし、視覚が退化しているわけではありません。むしろ、クマは視覚を補助的なセンサーとして上手に活用しているのです。特に注目すべきは、動体視力の鋭さ。じっと動かずにいる人には気づかなくても、ちょっと動いた瞬間にサッと反応するという事例が数多く報告されており、「動くものを捕らえる」能力には非常に優れていることがわかっています

 さらに、クマは視覚・嗅覚・聴覚を連携させて情報を処理しています。たとえば、「においで気配を察知」→「音でおおよその距離を把握」→「動きで視覚的に確認」というように、複数の感覚を組み合わせて状況を判断しているのです。つまり、クマにとって視力は”動きや異変をピンポイントで察知する”ために最適化された感覚なのです。

クマは動くものを見逃さない

クマの目は細かな識別に少し限界があり、遠くの静止物はぼんやりと見えますが、視覚が退化しているわけではありません。一方で動体視力は発達しており、動くものを瞬時に判別できます。


クマは目・鼻・耳で状況を判断

嗅覚→聴覚→視覚といったように、クマは複数の感覚を組み合わせて状況を判断しています。なかでも動体視力は動きや異変をピンポイントで察知する「確認用センサー」として最適化された感覚です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司


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世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。

しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。

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愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。

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