昭和の街に手書き貼り紙や広告があふれていた理由とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話】

街にあふれる貼り紙と看板美しさより目立つことを優先

個々の主張が目立つ昭和の街並み

昭和の街を歩いてまず目につくのは、建物の壁、電柱、フェンスなど、あらゆる場所に貼られた貼り紙や看板の数々です。とにかく「伝えたい」「目立たせたい」という欲望が、街全体にあふれていました

選挙シーズンになると、候補者のポスターが電柱の列を埋めつくし、貼り方によって陣営勢力が見えるほどでした。公職選挙法で掲示場所は定められていたものの、運用はゆるく貼った者勝ちの状態。「貼れば勝ち」「見せた者勝ち」――そんな空気が街を支配していたのです

商店街では「本日大売出し! 売り切れ御免!」といった貼り紙が、いつ終わるとも知れず延々と掲示されていました。違法か合法かではなく、”目立つことこそ正義”という発想が昭和の街を動かしていたのです

さらに、”手書き文字”の「犬のふん禁止」「タバコのポイ捨てやめろ」などの怒り全開の注意喚起も多数存在しました。行政の掲示板には地域の催しを知らせる紙がびっしりと貼られ、アパートの空室情報や家庭教師の募集といった個人広告もあふれていました。電柱の根元や道路脇には、許可を得ずに立てられた“捨て看板”も並び、街全体が広告の森のようでした。 こうした積極的な発信文化が、景観や美観を二の次にしていたのは間違いないでしょう。

昭和の街にあふれた手書き貼り紙・広告

街中にはさまざまな貼り紙や広告が掲げられ、個人的な内容から自治体のお知らせまで、それぞれの主張を視覚的に訴えかけていました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』監修:町田 忍

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』
監修:町田 忍


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今年2025年は昭和元年からちょうど100年の時代ということもあり、テレビでも令和・平成・昭和を比較した番組やニュースが取り上げられることも多く、良くも悪くも自由に満ちた昭和の時代が話題になっています。

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「病院でも映画館でも煙もくもく TPOなど関係ない喫煙事情」
「空前絶後のアイドルブーム 街中みんな同じ髪型」
「導入は平成から 消費税がなかった羨ましすぎる時代」
「テレビは叩けば治る 家電虐待思考」
「子どもには見せられないよ!ゆるすぎる放送基準」
「短足がバレるだけ 何のためにやるかわからない座高測定」
「速く回す、高く飛ぶが正義 スリリングすぎる遊具」
「感動をありがとう アジア初東京オリンピック1964」など

さまざまな世代を越えたコミュニケーションツールになる大人から子供まで楽しめる一冊です。

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