テレビは叩く、ファミコンはフーフー! 昭和の“力技メンテ”が面白すぎる【眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話】

テレビは叩けば直る!? 家電は物理的対応が基本

壊れたらまず叩いてみる

昭和の家庭でおなじみだったのが「テレビは叩けば直る」という不思議な信念。画面がちらついたり音が出なくなったりしたときは、家族の誰かがテレビの上部を叩きました。すると、なぜか直ってしまうことも少なくありませんでした。今では考えられない物理的な対処法が、当時は生活の知恵のひとつだったのです

このように叩いて直るのは、家電の内部で接触不良が起こった際、叩くなどして振動を与えることで、一時的に接触が回復するためともいわれます。もちろん根本的な解決にはならず、再び不調になることもしばしばでしたが、修理に出すより手軽で効果的だとされていました。

同じように、ファミコン世代には「カセットが反応しないときはフーフーと息を吹きかける」という習慣がありました。これはホコリを取り除こうとする行動でしたが、実際には息に含まれる水分が基板を傷める可能性もあり、発売元の任天堂は推奨していません。それでも子どもたちにとっては、ゲームが復活するおまじないだったのです。

現在ではデジタル化と保証制度の充実で、利用者が物理的に手を加える余地はほとんどなくなりました。家電はむしろ「変に刺激を与えてはいけない」「触ってはいけない」ものとしてとらえられています。


叩いて直す? 昭和の家電対処法

昭和の時代、家電の調子が悪くなったらとりあえず叩いて直していました。テレビに砂嵐が映ったら叩き、扇風機の風が弱まっても叩いていたのです。

砂嵐が映るテレビ

回らない扇風機

ファミコン世代の「フーフー」文化

ファミコンのカセットが反応しないとき、息を吹きかけてほこりを払うといい……そんな話が広まり、誰もが当たり前のように実践していました。ところが実際には、それが故障の原因になることもあり、のちにメーカー側が注意を呼びかけるようになりました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』監修:町田 忍

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』
監修:町田 忍


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今年2025年は昭和元年からちょうど100年の時代ということもあり、テレビでも令和・平成・昭和を比較した番組やニュースが取り上げられることも多く、良くも悪くも自由に満ちた昭和の時代が話題になっています。

本書は実際に昭和を生きた方には懐かしさを感じさせ、平成以降に生まれた方たちには、今は想像もつかないような驚きのトピックを厳選して収録。

「病院でも映画館でも煙もくもく TPOなど関係ない喫煙事情」
「空前絶後のアイドルブーム 街中みんな同じ髪型」
「導入は平成から 消費税がなかった羨ましすぎる時代」
「テレビは叩けば治る 家電虐待思考」
「子どもには見せられないよ!ゆるすぎる放送基準」
「短足がバレるだけ 何のためにやるかわからない座高測定」
「速く回す、高く飛ぶが正義 スリリングすぎる遊具」
「感動をありがとう アジア初東京オリンピック1964」など

さまざまな世代を越えたコミュニケーションツールになる大人から子供まで楽しめる一冊です。

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