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AIのIQは人間より高いの?【脳の話】

Text:茂木健一郎

直感や思いつきが人間の知性のカギ

「AIは自分より頭がいいのでは?」と不安に感じている人も多いといいます。

そんな人たちにはショッキングな話かもしれませんが、シンギュラリティ(技術的特異点)に到達したAIは、あえて数値化すればIQ(知能指数)4000といったレベルになるだろうといわれています。

天才アインシュタインはIQ180ともいわれていますが、AIはまさにけた違い。アインシュタインさえ足元にも及ばないレベルになってしまうのです。

ますます「私たち人間の存在意義はなくなってしまうのでは」と不安を感じる人が出てくるかもしれません。しかし、そんなことはありません。

計算力や記憶力を生かした仕事はAIに任せてしまって、人間しかできないところで力を発揮すればいいのです。そのための1つのヒントが、人間のもつ「感情の豊かさ」です。

もともと私たち人間の脳は、論理(ロジック)と感情(エモーション)という2つの軸のうち、感情のほうに重点を置いて発達してきました。

そのため、論理的思考は苦手な傾向にありますが、非常に豊かな感情表現を備えており、この面ではだんぜん人間にアドバンテージがあります。だからこそ、感情の世界で人間がAIに追いつかれる心配はまったくといっていいほどなく、私たち人間の独壇場といえます。

つまり、人間とAIの能力は根本的に異なるわけで、IQだけで、人間とAIを比べることに意味はないということなのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。

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