「練習はウソをつかない」とよくいいますね。そう耳にすると練習は量がモノをいうようなイメージを思い浮かべるかもしれませんが、量よりも質が肝心です。「どんな練習をしたか」がゴルフの上達の決め手となるのです。私の見る限りでは、何をよくしたいのかの整理ができていないまま、練習に没頭している人が多いように感じます。「たくさん打てば、きっと何かが変わるだろう」という目的意識が曖昧な練習はもうやめましょう。練習には「コースでこんな球を打ちたい」「こんなプレーをしたい」といった目標がなくてはなりません。そうした目的意識があってこそ、「今日は何の練習をするか」というテーマが明確になるのです。
1本のクラブしか使わない練習だって効果が高い
シングルハンデのようなゴルフが上手い人たちは、必ず練習の目的を決めて取り組んでいます。クラブを1本しか持って行かない練習もよくします。その日によってドライバーだけ、7番アイアンだけ、アプローチウェッジだけという具合に1本のクラブだけで50~100球打つことで、いろいろな気づきが得られます。大半のゴルファーはキャディバッグに全部のクラブを入れて、どのクラブも満遍なく打って満足感に浸ったり、安心したような気分になったりしていますが、目的意識が曖昧な状態で量をこなしただけで、気づいたことや学べたことが少なくて、質が全然伴っていないケースが多いのです。
練習の課題や明確な目的がないまま多くの球を打ち続けるのは、実にもったいない話ですし、それではゴルフのレベルアップやスコアアップには直結しないのです。アマチュアゴルファーの皆さんの練習内容が、すべて無駄だと否定しているわけではありません。これまでの練習を振り返って、目的を持って練習に取り組んでいたかどうかを自問自答していただきたいのです。「目的が明確でなかった」と思われたら、今後は自分の練習のテーマを決めて1球1球を大事に打つことを心掛けましょう。特にサラリーマンゴルファーの方々は練習の時間が限られていますから、練習の無駄を省くことを第一に考えてみる必要があります。
【書誌情報】
『週1回30球で上手くなる!大人のゴルフ練習帳』
著者:/中井学
20年間に渡り多くのアマチュアゴルファーを指導してきた著者の中井学プロ。彼らから聞く声で一番多いのが「一生懸命練習しているのに、なかなかスコアアップできない」という言葉。上達するには練習は欠かせませんが、その成果が表れないのはもったいない練習をしていて、もう少し練習を工夫すれば、もっと早く上手くなれる」とプロは言います。要は練習の無駄を省けば効率が上がり、それだけ上達のスピードも上がるわけです。この本では、「週1回、それも30球程度」で身に付けられる練習の仕方を写真を交えて紹介しています。「ドライバーと9番アイアンによるスイングづくり」「練習場でつかめる的確なボール位置」「上下左右に球を打ち分ける」など、スコアアップに結びつく効率的な練習法が載っています。本書で「練習をスコアに変える」方法を身に付けましょう。
公開日:2021.01.01