防御力ゼロの重装甲? 絶滅の原因となった「メイオラニア」の悲しき進化【眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話】

敵がいないのになぜか重装備だったカメ「メイオラニア」

【メイオラニア DATA】
分類:爬虫類
絶滅時期:3000年前
生息地:オーストラリア、ニューカレドニアなど

ディフェンスを固めすぎた

30万〜3万年前ごろ、オーストラリアやニューカレドニアには世界最大級のリクガメが生息していました。その名もメイオラニア。このカメのユニークな点は、重装備された見た目です。生息地域には天敵となる生物はほとんどいなかったにもかかわらず、頭にはツノを生やし、尻尾は強そうなトゲで覆われています

頭のツノはディスプレイのためにあると考えられていますが、このツノのおかげで一般的なカメのように甲羅の中に頭を引っ込めることができません。頭を引っ込められない弱点を補うかのように甲羅が備えられていたと考えられますが、この甲羅も一般的なカメの甲羅ほどの頑丈さはなく、厚紙程度の薄さしかありませんでした。

トゲのある尻尾は捕食者を追い払うのに役立つと考えられますが、これによって自身の動きが妨げられ、とても鈍かったようです。

自身の身を守るために進化の過程で備わった強そうな外見ですが、どうやらこれが裏目に出てしまったのでしょう。絶滅の原因は氷河期の気候変動ともいわれていますが、大きな原因は島に入植してきた初期人類による乱獲だとされています。頭も引っ込められない、のんびりしたカメは人類にとって格好の標的になったのでしょう。こうして、独特の進化の方向性ゆえにメイオラニアは姿を消してしまったのです。

重装備が弱点となってしまった………!

弱点その1【ツノのせいで頭をしまえない!】

求愛や威嚇のためのディスプレイとして備わっていたものの、このツノがあるために甲羅の中に頭をしまうことができませんでした。

弱点その2【甲羅は見せかけ。防御力はほぼなし!】

頭を引っ込められない代わりに体を守る甲羅が発達。しかし一般的なカメの甲羅より薄く、防御力はほとんど期待できなかったようです。

弱点その3【トゲのある尻尾が重たくて動きが鈍い!】

身を守るために備わったトゲのある尻尾ですが、重たくて取り回しづらく、動きが鈍くなる原因に。

人類による乱獲で絶滅

その捕まえやすさから、入植してきた初期人類の捕食の対象となって絶滅してしまいます。

環境破壊や外来種の影響も

乱獲のほかにも、森林の焼畑化やブタネズミなどの外来種の持ち込みも、絶滅の一因と考えられています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』監修:今泉忠明

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』
監修:今泉忠明


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絶滅動物の話!

40億年に及ぶ地球のヒストリー。
その中で繰り返されてきた生き物たちの絶滅。
もはや私たちが出会うことのかなわない彼らのあまりに興味深いエピソードを紹介。

絶滅とは何か。
「弱いから」滅び、「強いから」生き残るわけではない。
なぜ彼らは滅び、また生き残ったのか。

我々人類こそが絶滅の原因だった生き物たちもいる。
発見から30年もたたずに食い尽くされたステラーカイギュウ。
人類が現れるまで無敵だった巨大ナマケモノ、メガテリウム。

あるいは進化の果てに潰えた者たち。
さすがに大きくなりすぎたジャイアントペンギン。
肉食をやめたら生活が合わなかったアルクトテリウム。

環境や競争に敗れた末、絶滅の運命をたどることもある。
たどり着いた最後のすみかが噴火で沈没したオオウミガラス。
クローンで復活するも「2度の絶滅」をしたピレネーアイベックス。

絶滅は過去のできごとではない。
種の断絶が危ぶまれる生き物は、我々が生きるこの世界にも存在する。
トラ、オオサンショウウオ、ヤンバルクイナ、ホッキョクグマといった
絶滅危惧種がそれだ。

絶滅といえばこれ、謎多きニホンオオカミや「最後の1頭」が2012年に死亡したピンタゾウガメも。
触れれば触れるほど知りたくなるもう永遠にいなくなってしまった、いつかはいなくなってしまうかもしれない彼らの物語。
ひょっとすると、人類もいつかは……?

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