【エンドルフィンの奇跡】死の恐怖を和らげる脳の仕組み? 穏やかな最期を迎えるための生理現象とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

臨死体験は本当に存在する?

死の直前、脳が描く「最後の夢」

 心臓が止まり、意識が遠のくその瞬間――多くの人が「光のトンネルを見た」「自分を見下ろした」と語ります。臨死体験は世界各地で報告され、文化や宗教を超えて似た現象が存在します。果たしてそれはただの迷信なのでしょうか、それとも科学的な現象なのでしょうか。

 一説には、臨死体験は酸素不足に陥った脳がつくり出す現象とされています。酸欠状態では視覚野が過剰に反応し、周辺視野が失われ中央の光だけが残ります。臨死体験としてよく報告される、光に吸い込まれるような体験は、この現象がつくり出していると考えられます。2013年の研究では、心肺停止したラットに強い脳波の上昇が確認され、死の直前に脳が一度だけ活性化する現象が報告されました。

 さらに、扁桃体や海馬といった感情と記憶を司る領域も同時に刺激されます。過去の情景が走馬灯のようによみがえり、恐怖を和らげるためにエンドルフィンが分泌されるのです。

 臨死体験とは、さまざまな要因が重なり合い、脳が自らを守るために描き出す最後の映像なのかもしれません。死の間際に見える光景は、科学でも宗教でも完全には説明できないものの、その“夢”が私たちに残すものは明確です。恐怖ではなく、穏やかに幕を閉じるためのしくみでもあるといえるでしょう。

世界中で報告される臨死体験

死の淵をさまよった人が遭遇するという臨死体験。浮遊感や光に吸い込まれるような感覚、他者との出会いなど、さまざまな例が報告されている。

自分の体を見下ろしている

明るい光に導かれる感覚

亡き家族に会う

臨死体験は脳がつくり出す現象

臨死体験は酸素不足に陥った脳がつくり出す現象とされているが、刺激される部位によって起こる反応が異なる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 死の話』監修:島田裕巳

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