コースにおけるスタート前の練習は必須ですが、自分に合った練習の仕方を決めておくと、練習の効果が上がります。例えばコースプレーを想定した順繰り練習を必ず行うとか、9番アイアンとドライバーの2本だけを使うという具合に決めておくことです。
スタートに向けての「行動のルーティーン」が重要で、自分で何をすべきかを明確にしておくことで気持ちを落ち着かせることができるのです。ルーティーンというと、ボールの後方から目標を見て飛球線をイメージし、フェースをセットして、スタンスの位置を決めてアドレスを完成させる手順を思い浮かべるかもしれませんが、スタート前の所作のすべてがルーティーンと考えてください。
スタート時間の1時間半前にコース入りし、ゴルフウェアに着替えて朝食を済ませ、スタートの45分前にはクラブハウスを出て練習場に向かい、自分で決めた手順で球を打ち、練習グリーンでパットの練習をして、スタートの5~10分前にはティグラウンドに着いておくようにする。こうした自分なりのルーティーンを決めて、それをしっかりと実行しましょう。
ゴルフの上手い人はスタート前の所作が整っている
多くのゴルファーは久し振りのラウンド前日は興奮して、あまり寝つけないことが多いでしょう。プレー当日もテンションが上がって、気持ちもソワソワして、スタート前のルーティーンがまるでバラバラになっています。スタート前の練習も含めて、やっていることが物凄くボンヤリしているから、準備万端といかないままでスタートして、最初からつまずいてしまうのです。
プロたちはスタート前のルーティーンをきっちり決めていますし、アマチュアの方々もレベルが上がっていくにつれて、ルーティーンが段々整ってきます。サラリーマンの方々も出勤前のルーティーンがほぼ決まっているはずです。寝坊すると慌ててしまうのは当然ですが、普段と違う道で駅まで歩いたり、いつも乗っている電車に乗り遅れたりすると、何となく調子が狂ってしまうことがあるでしょう。スタート前のルーティーンもそれとまったく同じです。
ちなみに私は朝食などを済ませてクラブハウスを出たら、最初に練習グリーンに向かい、10~15メートルくらいの長い距離を2球だけ無造作に打ちます。ボールの転がりを見て、「今日のグリーンは速いな」とか「今日は重そうだな」などと判断してから練習場に向かい、それからもう一度練習グリーンに戻ってパットの練習を入念にやるようにしています。なぜ、最初に練習グリーンに向かうかというと、グリーンの速さによってアプローチの練習のテーマが変わってくるからです。
【書誌情報】
『週1回30球で上手くなる!大人のゴルフ練習帳』
著者:/中井学
20年間に渡り多くのアマチュアゴルファーを指導してきた著者の中井学プロ。彼らから聞く声で一番多いのが「一生懸命練習しているのに、なかなかスコアアップできない」という言葉。上達するには練習は欠かせませんが、その成果が表れないのはもったいない練習をしていて、もう少し練習を工夫すれば、もっと早く上手くなれる」とプロは言います。要は練習の無駄を省けば効率が上がり、それだけ上達のスピードも上がるわけです。この本では、「週1回、それも30球程度」で身に付けられる練習の仕方を写真を交えて紹介しています。「ドライバーと9番アイアンによるスイングづくり」「練習場でつかめる的確なボール位置」「上下左右に球を打ち分ける」など、スコアアップに結びつく効率的な練習法が載っています。本書で「練習をスコアに変える」方法を身に付けましょう。
公開日:2021.01.11