死の先には何が待っているのか、「輪廻転生」とはどんな思想?【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

死の先には何が待っている? 輪廻転生という思想

生と死をくり返す魂のサイクル

 人は死んだあと、どこへ行くのでしょうか。この問いに答えを与えてきたのが、古代インドで育まれた輪廻転生の思想です。生と死を一度きりの出来事とみなさず、何度も続く旅としてとらえる考え方は、ヒンドゥー教と仏教の双方に受け継がれました。

 ヒンドゥー教では、魂は死後も新たな生命へと転生すると考えられます。どのように生まれ変わるかは生前の行い(カルマ)によって決まり、善行を積めば高い身分へ、悪行を重ねれば低い身分や苦しみの多い存在へ再生するとされました。生きている間に善行を積むことでよりよい来世に生まれ変わることが究極の目標とされています

 一方、仏教は輪廻を苦しみの連鎖ととらえ、その輪から離れることを重視しました。業(カルマ)によって次の生が決まる点は同じですが、欲望や執着があるかぎり六道をめぐり続けるとされています。最終的にはこうした煩悩を断ち切り悟りへ到達することが目標です

 このように、ヒンドゥー教が魂の成長と神への回帰を掲げるのに対し、仏教は苦しみからの解放を目指します。違いはあっても、生き方の善悪が次の生を左右するという思想は、死後を決めるだけではなく、日常の生活を見つめ直す指標として機能してきました。

ヒンドゥー教における輪廻転生のしくみ

ヒンドゥー教では、生前の行い(カルマ)が次の生を決める。善行を積み、最終的に輪廻を超えて、神と合一することが理想とされる。

仏教における輪廻転生のしくみ

仏教では、輪廻は苦しみの連鎖とされる。修行を積んで煩悩を減らし、悟りを開くことで、苦しみからの解脱を目指す。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 死の話』監修:島田裕巳

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 死の話』
監修:島田裕巳


【Amazonで購入する】

死とは何か──
シリーズ累計400万部を超える『眠れなくなるほど面白い図解』シリーズで、専門家と徹底考察。

人はいつか死ぬ。しかし、「死」は誰もが避けられないことでありながら、普段はなかなか考えにくい話です。
本書は、人間にとって「死」がどのような意味を持つのかを、医学・科学・文化・宗教・歴史など多角的な視点から解説します。

死の定義や脳死の問題、なぜ生物は死ぬ仕組みがあるのか、臨死体験の実態など、科学的な問いから入り、土葬・火葬・風葬といった文化的慣習や、世界各地の葬儀・死者とのつながり、日本の仏式葬儀の背景まで、人類がどのように死に向き合ってきたかを幅広く紹介します。
さらに、尊厳死や安楽死、終活、遺書やホスピス医の事例などを通して、死と向き合う心理や現代社会の課題にも触れ、あらゆる角度から「死」を考察。

「死」を正しく知ることで、日々の生き方を見つめ直し、今をより充実させるヒントが詰まった一冊です。

この記事のCategory

オススメ記事

【進化の鍵】死は命のアップデート? 絶滅を防ぐためにプログラムされた「寿命」の正体【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

【エンドルフィンの奇跡】死の恐怖を和らげる脳の仕組み? 穏やかな最期を迎えるための生理現象とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

文明の火種は”死の自覚”? 社会の基盤を作った人類最大の恐怖【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

寿命はわずか数時間!? 「空を舞うため」だけに生きるカゲロウの生き様とは【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

【命の境界線】何をもって「死」とするか? 知っておきたい公的な死のプロセス【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

【自己犠牲】なぜミツバチは刺すと死ぬのか? 一族の繁栄を優先する「利他的な死」とは【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

古代エジプト人はなぜミイラを作ったのか? 文化によって変わる遺体の扱い方【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

家のすぐ隣にお墓があった? 縄文人が死を日常から切り離さなかった驚きの理由【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

求人情報

インフォテキストが入ります