なぜジュニアや女性は簡単にうまく打てるのか?
ジュニアの頃はグングン上達して大会で優勝していたような子どもが、高校生くらいになると伸び悩むというケースがあります。実は、これも力みが原因で起こることが多いものです。
ジュニアの頃は握力がないので、そもそも力いっぱい握ることができません。どちらかの手が強すぎるために生じるアンバランスも少なく、左右の手の力が均等に近い状態なっています。「左手をリードさせて」といった余計な知識もない。そのため、自然と力に頼らないグリップになり、手首もうまく使えます。スイングプレーンがいびつになることもないですし、フェースもスムーズにターンするのでうまくボールをヒットできるのです。
しかし、それが高校生くらいになると力が付いてきて、パワーに頼るようになる。どちらか一方の手が強くなりすぎたり、両手ともに力を入れすぎたりして、それまでできていたスイングが崩れ、より遠くへ飛ばすどころか、ミスショットが多発してしまうのです。
女性の場合も同じ理由になります。一般的な女性のショットを見たことがある人はわかると思いますが、〝パコーン〟というやわらかい打球音になりますよね。破壊力はないのですが、ボールの軌道はまっすぐ。なぜスライスやチーピンにならないのかというと、やはり余分な力みがないからです。女性もジュニアと一緒で男性に比べて握力があまりなく、力を入れてスイングしないので、きれいな円運動になるのです。
もうひとつ、ジュニアがうまく打てる要因があります。ジュニアのプレーを見て「うまいな」「飛ばすな」と思うことがあるでしょう。自分のほうが経験では上回っているはずなのに、なぜかジュニアのほうがうまく打てている。
それは、ジュニアはあれこれ考えずに、ただただボールを打っているからです。知識や決まりごとより先に「ボールを打つ」「目標に飛ばす」に集中している証拠です。
しかし大人は、まずレッスン書などを読んで知識を得たり、人にアドバイスを求めたりするので、初めから自分の感じるままにプレーすることがないのです。もともともっている感覚に蓋をしてしまっているので、自然なスイングをしようとしても頭の中に溢れている知識が邪魔をして、自然なスイングができなくなっています。一度、頭の中を空っぽにして余計なことは考えずにクラブを右に引き上げ、左に振ればいいのです。
【書誌情報】
『動画解説版 グリップを直すだけでゴルフが変わるから「もう一度練習してみよう」と思える:動画でわかる、見つかる自分のベストグリップ!』
著者:松吉 信
ゴルフは自分の手でボールを打つのではなく、クラブで打つスポーツ。手は自分の身体とクラブをつなぐ唯一の部位だが、大半のアマチュアゴルファーはクラブや身体の動きに気を取られ、手元の感覚を軽視しがちだ。 そのことでミスショットが増え、スコアアップができないでいる。つまり、自分にとって正しいグリップで握っていないから思うようなショットが打てないのだ。 正しいグリップでなければ、身体のに歪みが出て余計な力が入り、スイングは崩れ飛距離も出ない。クラブの握り方が悪いままでは、いくらスイングを直そうとしてもゴルフの上達は無理ということだ。ということはグリップがよければゴルフがうまくいく、と言っても過言ではない。 この本は、ゴルファー自身にとって最適なクラブの握り方を見つけるための考えや方法を一冊にまとめたもの。その方法や身に付けるための練習ドリルを、QRコード付動画を中心にわかりやすく紹介する。
公開日:2021.05.06