フィギュアスケート 競技別解説
移動と技をフローの中で合成して見せる
フィギュアスケートで表現力を高めるには、「技を見せるための時間」を考えなければなりません。「見られる」ではなく「見せる」時間です。それには、一連の動作、つまりフローの中で時間をコントロールすることが必要になります。フィギュアスケートは切れ目なく、リンク上をスケーティングで移動しながら技を続ける競技ですから、たとえばジャンプをして着地したときは、その着地は次の技の引き込み(導入)になっています。このことを理解できていないと、あらゆる動きに余裕がなくなり「見せる」こともできなくなってしまいます。逆に言うとフローの意識を持つことができれば、演技全体に余裕ができて、「見せる」時間を作ることができるのです。
競技の起源
スケートの起源は石器時代にまで遡るが、フィギュアスケートが始まったのは中世以降のこと。オランダの貴族が優雅な娯楽として楽しんでいたものがヨーロッパ各地に伝わり、1860年代にアメリカのジャクソン・ヘインズが音楽伴奏とともにダンスの動きを取り入れたことで格段に発展し、フィギュアスケートの原型となった。
滑りの意識
両脚が2本のレールの上に乗っていると考えたとき、曲線(カーブ)のコース取りの意識をどこに持ってスケーティングするかがタイプによって違う。
【クロス】外枠を意識するクロスタイプ
外側の足に乗って出る。
【パラレル】二本足を一本化しようとするパラレルタイプ
内側の足で踏んで出る。
【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一
「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!
公開日:2021.07.02