ウエイトトレーニング 競技別解説
骨格の協応性に準じて垂直にコントロール
ウェイトトレーニングは「筋肉に負荷をかけて筋肥大を狙う運動」ではありません。「重いものを効率良く、かつ骨格に負担なく、地面に対して垂直にコントロールする技術」を学ぶものであり、「安定した状態から重量間を骨格の協応性に準じてコントロールし、骨質、筋質に刺激を与える運動」です。よく寄せられる質問に「ウェイトトレーニングで爆発的な力を出すにはどうた
らいいでしょうか?」というものがあります。その答えは、爆発的な力を出すことは不可能となります。なぜなら、ウェイトトレーニングは最初から最後まで全力を出し続ける運動であるからです。
動きのポイントとしては、「下がって・上がる」ではなく「下げて・上げる」のだという点に注意しましょう。スクワットで踏み圧をかけるときは、第一次の踏み圧はしゃがむこと、そして第二次の踏み圧は上がること、というように2回動きのポイントがあります。踏み圧はかけ続けているわけですから、その状況で「下げて・上げる」動きをするには、どうすればいいでしょうか。胴体(体幹)の形を変えずに脚を使って下げるのは無理なのですから、体幹部のトランスフォームによって、「下げる・上げる」が可能になるのです。
競技の起源
ウェイトトレーニングの歴史は古く、エジプトをはじめ、ヨーロッパやアジアでも、紀元前から筋力を高める活動が行われていたと言われる。3世紀頃にはダンベルの原型とも言える器具が生まれたが、現在のように重量を調整できるバーベルやダンベルが生まれたのは19世紀末頃だという。
腕を下ろすためのスペース作り
私たちの両腕は肩関節から垂直に上腕が下がることが骨格上のルールです。必要以上に「力んだり」「胸を張ったり」「背骨を固めたり」すると、腕の収まるスペースが失われ、自然な動作の妨げになります。
スクワット
【クロス】みぞおち前と膝前を意識
みぞおち前と膝前を近づけるイメージで身体全体を沈み込ませていき、みぞおち前と膝の前、足底が一直線になるようにしゃがみ込む。前傾のまま立ち上がり、元の姿勢に戻る。
【パラレル】みぞおち裏とかかとを意識
首の付け根裏とみぞおち裏、足が垂直に揃うイメージで立ち、みぞおち裏に膝裏を近づけるようにしてしゃがみ込む。身体の裏側が軸になるため、前傾角度は浅い。
【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一
「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!
公開日:2021.07.23