肝臓の仕事を増やすものは避ける
食物から摂った糖質(ブドウ糖)は、人間のエネルギー源です。脳を働かせる、筋肉を動かす、体温を維持するなど、ブドウ糖は生命活動を維持する上で欠かせません。
また、ブドウ糖が足らず行動不能に陥らないように、人間の体は糖質を脂肪に変えて蓄えることができます。
海や山などで遭難した人が生き延びられるのは、蓄えていた脂肪を糖質に戻し、エネルギー源を確保しているからです。
糖代謝と呼ばれる脂肪と糖質の変換作業は、肝臓が行っています。アルコールの分解で忙しいときに、糖代謝という仕事が加わると、肝臓に大きな負担をかけてしまいます。これを避けるためにも、お酒を飲んでいるときに糖質の多いおつまみを食べるのはやめましょう。
二日酔いもアルコールの分解が終わらないために起こる現象なので、脱水症状は二日酔いの間接的な原因とも言えます。
定番どころで言えば、お茶漬けやフライドポテトなどが挙げられます。健康的なイメージがありますが、野菜の煮物も要注意です。いも、にんじん、れんこんなど、でんぷんの多い食材のほか、砂糖やみりんといった調味料が使われているため、糖質が高くなりがちです。
おつまみとして食べられることも多い寿司も危険度は高め。ひとつひとつは少量ですが、お茶碗1杯(約150グラム)を超えるお米を食べていたということもあるので注意が必要です。お酒を飲むときは、これらのメニューを控えたほうがいいでしょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』
監修:栗原毅
新型コロナウィルスの影響でテレワークの導入や、不要不急の外出など、何かと家にいる時間が多くなっている昨今、問題視されている“酒量の増加”。運動不足な上に酒量が増加したことにより、太ってしまったり、々な健康数値に悪影響が出ている人も多くおり、その多くの人が『正しい飲み方』を知りません。本書ではそんなお酒を考える上でも最も大切な臓器である『肝臓』の働きから、必ず役立つ『最強の飲み方』まで、すぐに使える実用的な情報を幅広く紹介します。
公開日:2021.05.30