ダウンスイング
アーリーリリースのデメリットを理解し動作を変えることができるか
ダウンスイングではハーフウェーダウンのポジションに持っていくことが動作の目的となりますが、その前段階での要素によってそれが不可能な場合を除き、最も有害なのはアーリーリリースでしょう。
「アーリーリリース」とは文字通りリリースのタイミングが早いということで、切り返し直後に手首とヒジの角度をほどいてしまう動きを言います。この要素を持っているアマチュアゴルファーは非常に多く、私の印象では軽く9割は超えているのではないかと思います。
なぜアーリーリリースが多いかというと、そのほうが安心できるからです。ダウンスイングでヘッドが視覚に入ってこないのは不安ですし、インパクトでスクエアに戻るイメージが持てないので、早めにフェースをスクエアに戻したがるのです。それに伴い手首とヒジの角度もリリースされてしまうのですね。
この本のテーマでもある、変則的に見えても上手なゴルファーはアーリーリリースは持っていません。個性的なテークバック、個性的なトップでも、そこからリリースしないでハーフウェーダウンに持ってくることができるので、片手シングルにまで上り詰めることができるのです。
アーリーリリースと決別するには、この章の冒頭でお話ししたように強い意志が必要です。「70台で回れたから」という成功体験を捨て去り、角速度を発生させるスイングのメリットをイメージできるかどうかにかかっています。アーリーリリースは極論を言えば浮いている球しか打てませんが、タメを作って打てば沈んだボールでも打てますし、大振りしなくても距離が出せます。身体を揺さぶらなくても距離が出せて、なおかつライが悪くても球を上げられるというようなメリットはスコアに大きく貢献します。何度も言うようですが、それを確信して動作を変えられるかどうかなのです。
【書誌情報】
『「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく』
著者:阿河徹
「9時・4時スイング」とは、時計の9時の位置から4時の位置まで動くスイングのこと。この範囲のクラブと体の動きが、ゴルフ上達のポイントであると著者は考えている。本書は、そのスイングをする際の体の動き、クラブの動きを写真を数多く使い細部にいたるまでわかりやすく解説。加えて、スイング中の体の動きが身につく練習ドリルも紹介している。「9時・4時スイング」でゴルフは劇的に変わる!
公開日:2021.06.25