過眠と不眠のふしぎな関係
日本では、成人の約2割が睡眠になんらかの問題を抱えているといわれています。睡眠障害とは、睡眠の異常から生活に支障のある状態の総称ですが、症状や病態はいろいろあります。
まず、不眠症と過眠症について紹介します。
一般に睡眠障害というと、寝つきが悪い(入眠障害)、夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)、早く目が覚める(早期覚醒)、熟睡した感じがしないなど、眠れない状態を想像しがちです。これらはすべて不眠症の症状で、本人が自覚できるケースが大半です。
一方、日中強い眠気に襲われ、起きていられなくなってしまう過眠症も、不眠症と同じくらいよくみられます。
過眠の症状でもっとも多くみられるのは、睡眠時無呼吸症候群からの過眠です。就寝中たびたび呼吸停止が起こり、覚醒反応が現れるため熟睡できず、日中の眠気が発生します。睡眠時無呼吸症候群でもっとも多い症状は、じつは昼間の眠気なのです。
不眠と過眠は別々の病気として分類されますが、実際には表裏一体の関係です。過眠や日中の不適切な生活習慣により、夜に不眠になることはめずらしくないのです。
眠れないだけでなく、眠くて仕方ないのも睡眠障害です。気になる人は専門医を受診するとよいでしょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修:西野精治
ぐっすり、すっきりを同時に手に入れる。明日、人生最高の朝になる──。最先端の睡眠法で常識が変わる。今晩からできる睡眠革命! なかなか寝つけない、眠っても疲れがとれない、眠りが浅くて寝たりない──。多くの人が気になる睡眠のお悩み。スタンフォードに学ぶ最新の研究をもとに睡眠の科学的メカ二ズムを解明しました。つい人に話したくなる睡眠の新常識から、スムースな入眠のためのメソッド、睡眠習慣のつくり方まで、極上の眠りを手に入れる方法を、図解データとともにズバリ解説します。
公開日:2021.06.24