緊張や不安を否定しないことが良い結果に
勝敗を左右する重要な局面にも冷静に臨み、きっちりとチャンスをものにする一流アスリートたち。常に結果を求められる彼らはストレスとどう向き合っているのでしょうか。
ニューオリンズ大学では初心者とベテランそれぞれのダイバーについて、スカイダイビング中の心拍数を調べました。初心者の心拍数の方が高く出るという予想に反し、実際にはベテランダイバーの心拍数の方が高く、より緊張していることがわかったのです。さらにベテランダイバーはただ緊張するだけでなく、興奮や喜びの感情も大きくなっていました。また、ハーバードビジネススクールのアリソン・ウッド・ブルックス教授はスピーチの参加者を2つのグループに分け、一方には「自分は緊張していない。落ち着いている」、もう一方には「自分は緊張しているがワクワクしている」と考えるよう指導しました。すると前者よりも後者のグループの方が、自信を持って説得力の高いスピーチを行うことができたのです。他にも、「不安や緊張は失敗ではなく、成功につながる」と思うだけで、試験の成績が高くなったというロチェスター大学の研究も報告されています。
プロのアスリートがここぞという場面で結果を出せるのは、緊張している自分を認め、緊張によって自分を奮い立たせているから。ストレスをおそれずに楽しむことが大切なのです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
著:ゆうき ゆう
「ストレス社会」といわれている現在、
科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、
ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。
ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。
特に最近では、新型コロナウイルスの影響で
これまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。
それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、
不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…
また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、
放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。
近年20~30代に多く見られる「過敏性腸症候群」はそのひとつで、
病院に行って検査をしても異常がみつからないのに、
日々便秘や下痢などの腹痛に悩まされる病気です。
早いうちに対処しなければ、
毎日腹痛におびえながら生活しなければならないという
新たなストレスが加わって悪循環に。
本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。
そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、
たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、
メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2021.08.05