口唇欲求がやけ食いや口寂しさの原因に
疲れているときやイライラしているときは、好
きなものを存分に食べて気分を紛らわせたくなる
もの。また仕事中や勉強中には、それほど空腹で
なくても口寂しくてつい食べ物に手が伸びてしま
うこともあるでしょう。このようにストレスを感
じたときに何かを口にしたくなるのは「口唇欲求」
が高まるため。赤ちゃんはおなかが空いたときだ
けでなく、不安なときにもお母さんのお乳を吸っ
て安心感を得ようとします。同じように大人もま
た疲れたときや不安なときなどに、おやつを食べ
たり、あめやガムを噛んだり、あるいはタバコを
吸ったり、爪を噛んだりすることで口唇欲求を満
たし、ストレスを解消しようとするのです。
とはいえ、食べても気分が晴れるのは一時的。
ある研究では、間食の後20分くらいはやる気や幸
福感がアップしますが、それを過ぎると食べる前
よりもむしろ気分が沈み、ストレスフルな状態に
戻ってしまうことがわかっています。つまり、ど
んなに食べてもストレスは解消されないというこ
と。それどころか体重ばかりが増え、余計なスト
レスを抱え込むことにもなりかねません。
ストレス食いに走ろうとしている自分に気づい
たら「食べても無意味」と言い聞かせましょう。
口寂しさはすなわち心の寂しさともいえます。親
しい人とおしゃべりを楽しむなどして、気持ちを
発散させることが大切です。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
著:ゆうき ゆう
「ストレス社会」といわれている現在、
科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、
ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。
ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。
特に最近では、新型コロナウイルスの影響で
これまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。
それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、
不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…
また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、
放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。
近年20~30代に多く見られる「過敏性腸症候群」はそのひとつで、
病院に行って検査をしても異常がみつからないのに、
日々便秘や下痢などの腹痛に悩まされる病気です。
早いうちに対処しなければ、
毎日腹痛におびえながら生活しなければならないという
新たなストレスが加わって悪循環に。
本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。
そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、
たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、
メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2021.08.13