フリーウェイトvsマシン、筋肥大の効果は「同じ」だった!? 10万本の論文が導き出した意外な結論【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

フリーウェイトとマシンに効果差はない?

フリーウェイトトレーニング VS マシントレーニング

 ダンベルやバーベルを使うフリーウェイトトレーニングと、ジムなどにあるマシンを使うマシントレーニング、異なる効果をもつふたつのトレーニング法では、どちらがより筋肥大に有効でしょうか。


・フリーウェイトトレーニング(コンパウンド種目・多関節運動種目)

トレーニングの自由度が高く、複数の関節を動かして、いくつもの筋肉を同時にかつ広範囲に鍛えることができます。例えば、ダンベルひとつでさまざまな部位を刺激でき、同じ部位でも自分の身体に合ったフォームでトレーニングを行うことができます。

・マシントレーニング(アイソレーション種目・単関節運動種目)

ひとつの動きに合わせてつくられたマシンを使って、簡単な動作で効率よくひとつの関節、ひとつのの筋肉を集中して鍛えることができます。初心者でも正しいフォームでトレーニングができ、軽量〜高重量まで、自分のレベルに合わせた細かな設定が可能です。


 フリーウェイトトレーニングとマシントレーニングでは、フリーウェイト=筋トレ上級者という印象があり、筋肥大にはフリーウェイトトレーニングのほうが効果的だと思う人も多いようです。実際、今までの観察研究では、フリーウェイトトレーニングのほうが筋力増強に効果があるというデータが数多くありました。

 しかし、科学的に見てどちらがトレーニングとして優秀なのかを調べてくれたのが、2021年にアメリカのローワン大学から発表されたメタ分析です。筋力増強と筋肥大についての研究を分析した結果、フリーウェイトトレーニングとマシントレーニング、どちらも特に有意差はなく、同じぐらいの効果があるという結果でした。2022年にカナダのビクトリア大学から発表されたメタ分析でも、同様の結果が出ています。

 ただし、数字が変わらないからどちらか一方のトレーニングだけを行えばいい、ということではありません。筋肉を大きくするためには、必ずフリーウェイトトレーニングが必要で、マシントレーニングだけでは、理想とする体形にボディメイクできないのです。

フリーウェイトでしか得られないメリット

 フリーウェイトトレーニングがボディメイクに絶対に必要な理由がふたつあります。

 ひとつは、脂肪燃焼効果です。2017年の研究で、カロリー消費量と脂肪燃焼率が高い8種目に関して詳細な検証が行われました。データでは、種目ごとに詳しい数字が検証されていますが、マシントレーニングのアイソレーション種目よりフリーウェイトトレーニングのコンパウンド種目のほうが、エネルギー消費量が高い傾向にあり、脂肪燃焼が進むことが確認されました。

 ふたつめは、メインではない筋肉も同時に鍛えられることです。多関節運動であるコンパウンド種目では、ひとつの種目でメインとなる筋肉だけでなく、さまざまな筋肉を同時に使います。論文における筋力増強率や筋肥大率などの数字はメインの筋肉のものなので、全身の筋肉量でいうと大きな違いが生まれる可能性があります。つまり、理想的な身体にデザインするためには、フリーウェイトトレーニングは欠かすことはできないのです。

 ただし、フリーウェイトにも、ケガのリスクという大きな問題があります。フリーウェイトは、自己流の誤った姿勢ややり方で行うと、関節を痛める恐れがあります。マシントレーニングと比べてケガのリスクが80%ほど上がるという報告もあるので、後ほど紹介するPART3で正しい方法を身につけましょう。

フリーウェイトとマシンの効果的な組み合わせ方

 ケガのリスクを軽減し、かつトレーニングをより効果的に行うための方法として参考になるのが、2012年にリオデジャネイロ連邦大学から発表された、トレーニングにおける種目の順序が与える影響に関する調査です。

 この調査の結果、1種目めにフリーウェイトを行うことで、身体の大部分がウォームアップされ、その後の運動パフォーマンスも向上すること、コンパウンド種目は筋肥大や筋力増強に必要なテストステロンや成長ホルモンが大量に分泌されやすいことから、フリーウェイトをトレーニングの初期にもってくることが推奨されました。

 ただし、筋トレ初心者で筋肉が収縮している感覚がわからない人は、1種目めにアイソレーション種目を行うことで筋収縮の感覚を養うことができます。初心者はアイソレーション種目を1種目めにもってくることで、トレーニング効果を最大化することができます。

【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男

【書誌情報】
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