レッグエクステンションは「背もたれ40度」で効果が倍増する、最新脚トレ最適解【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

大腿四頭筋トレの最適解はバーベル前担ぎのフロントスクワット

太ももの太さ=テストステロン濃度

 大腿四頭筋は、太もも前面についている大きな筋肉です。「大腿直筋」「内側広筋」「外側広筋」「中間広筋」の4つの筋肉で構成され、ひざを伸ばす作用と股関節を曲げる作用があります。人体でもっとも大きな筋肉であり、歩行や立ち上がりなど、日常生活の基本となる動作を支えています。

 また、2024年に『The World Journal of Men’s Health』誌に掲載された最新の研究では、太ももの太さとテストステロン濃度には有意な相関関係が確認され、大腿四頭筋を鍛えることで、性欲をはじめとした活気や運動能力を高める男性ホルモンのテストステロン値を高めることが指摘され、ひいては老化予防の効果も期待されています。

大腿四頭筋を鍛える最適解は「フロントスクワット」

 大腿四頭筋のトレーニングとしてスクワットを取り入れている方は多いと思いますが、種目(やり方)によって筋トレ効果が異なります。2020年に北キプロスのニアイースト大学から5種類のスクワット動作における大腿筋や大臀筋、脊柱起立筋、ハムストリングスの筋活動の比較をテーマにした研究が発表され、大腿四頭筋の筋肥大を最大化するスクワット種目が明らかにされました。

 大腿四頭筋の筋活動がもっとも高かった種目が「フロントスクワット」です。フロントスクワットとはバーベルを肩の前部で支えるスクワットのことで、一方バックスクワットとはバーベルを肩の後ろで担ぐスクワットです。フロントスクワットの特徴は、強度が低くても大腿四頭筋の筋活動はとても高いことです。高重量でしか強い筋活動が見られなかったバックスクワットと比較して、軽い重量でも大腿筋すべてに強い筋刺激を与えられることが明らかになりました。

 またバーベルに代えてダンベルでも効果があるため、自宅でも取り入れやすいスクワットです。

 また、5種目のスクワットには入っていませんでしたが、「ブルガリアンスクワット」もおすすめです。2021年に、ジョージアサザン大学からブルガリアンスクワットとバックスクワット運動の動作解析を行った研究が発表され、ブルガリアンスクワットはひざへの負担が圧倒的に少ない状態で、股関節に負荷をかけられるというデータが明らかになりました。さらに、ベンチや台を使うことで可動域が広がり、筋肉をより深く動かすことで大臀筋・ハムストリングス・大腿四頭筋が同時に働き、下半身を総合的に鍛えることができるのも大きな魅力です。

 一般的なスクワット運動は、どうしてもひざを深く曲げることで股関節へのアプローチを可能にしていますが、ブルガリアンスクワットはひざを曲げずに股関節の負担を高めることができるので、腰やひざを痛めずに大臀筋にアプローチするためにも、必須のトレーニング種目だといえます。片足で体重の8割を支えるため、筋肉にかかる張力は通常のスクワットの約1.5〜2倍に達し、自重でも高い負荷がかかって筋力だけでなく体幹・バランス・神経の働きまで強化することができます。

 続いてのおすすめ種目が「レッグエクステンション」です。2025年にノルウェーのノルド大学から、レッグエクステンションのベンチの角度が筋肥大に与える影響に関して調査が行われました。セット数と強度は統一し、ベンチの背が40度または90度の角度でどちらが大腿四頭筋の筋肥大を促進するのかを分析した結果、外側直筋に関してはどちらの条件でも差は見られず、一方で大腿直筋はベンチの角度を40度にすることで有意差が確認され、大腿直筋の筋部が90度だと+4.6%、40度だと+12.4%。遠位部の場合90度で+10.9%、40度では+15.8%の向上が見られ、筋肥大率に約2倍の差が生じていました。大腿直筋は股関節とひざ関節をまたぐ2関節筋のため、40度のベンチ角度で大腿直筋を伸長させる状態でトレーニングを行うことで、より強い筋刺激、筋成長につながったのではないかと考察されています。

 つまり、レッグエクステンションはベンチの角度を少し倒した状態で行うと、より大腿直筋に強い筋刺激を与えることができるということなので、ぜひ参考にしてみてください。

大腿四頭筋に効果的な筋トレ種目

大腿四頭筋への効果がもっとも高かったのはフロントスクワット

バーベルを前側(鎖骨付近)で担ぐため、体がより直立に近くなる。膝の屈曲が大きくなり、前ももを集中的に鍛えやすい。

ブルガリアンスクワットも効果的

加齢による筋肉の協調性を無視してテストステロン分泌量を上げられる。ひざ関節の負担を圧倒的に軽くしながら大腿四頭筋にアプローチできる。

(2020 年ニアイースト大学の論文)

レッグエクステンションのベンチの角度における効果の違い

(2025 年ノルド大学の研究)

【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男

【著者紹介】論文男(ろんぶんおとこ)
理学療法士。パーソナルトレーナー。現役理学療法士として、小児・スポーツ選手・高齢者のリハビリに従事する傍ら、13年以上の指導経験を生かし、科学的データに基づいたエビデンスレベルの高いトレーニング方法を発信。年間500本以上の論文を読み漁り、最新研究を現場で実践に落とし込む。YouTube 『論文で解決 〜筋肉と栄養を科学する』は登録者23万人以上。3児の父として、忙しいワーカー向けに最短で理想のボディを作るメソッドも開発。筋トレ・栄養・リカバリーを科学的に体系化した指導に定評がある。

【書誌情報】
『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』
著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男


【Amazonで購入する】

■■トレーニーのための「最適解」がわかる! エビデンスが示す、最新結論■■
理学療法士・パーソナルトレーナーである著者が、10万本以上の論文から導き出した「本当に効く筋トレ理論」をわかりやすく解説します。

SNSにあふれる筋トレ情報の中には、科学的根拠に乏しいものも少なくありません。本書では、年間500本以上の論文をチェックし、現場経験と照らし合わせながら、科学的に証明された方法だけを厳選して紹介します。
筋トレ理論の真偽を検証し、最新研究から導き出された筋トレの設計ルールや正しい栄養戦略を知ることで、無駄な努力や習慣を排除し、最短で筋肉を増やす道筋がわかります。
さらに、部位別の効率的な鍛え方、筋肥大を最大化する負荷・レップ数・インターバル、プロテインやサプリの科学的活用法、リカバリーの正しい知識まで網羅。
経験則や古い理論に惑わされず、論文で裏付けられた最新結論を取り入れて実践することで、成果を確実に最大化できます。

理想の体を手に入れたいトレーニーや、伸び悩みから脱却したい上級者にとって、科学に基づく筋トレの最前線を知る必携の一冊です。

この記事のCategory

オススメ記事

フリーウェイトvsマシン、筋肥大の効果は「同じ」だった!? 10万本の論文が導き出した意外な結論【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

週1回でも筋肉は維持できる? 10万論文が導き出した筋トレ衝撃の真実とは!?【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

多少の空腹では筋分解は起こらない!? ダイエットに効果的な「空腹トレーニング」のメリット【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

最速で鍛えるトレーニングの正解!大胸筋トレの最適解は「30度のインクラインベンチ」【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

筋トレのやり過ぎは休養より筋肉が減る? 追い込みすぎの赤信号「オーバーリーチング」とは【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

週1回を「週4回」に分けるだけで成長速度が上がる!? 重量が伸びない人必見の科学的トレーニングの最適解【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

1RMやメタ分析って何?効率を求めるトレーニーが絶対に知っておくべき「論文の読み方」基礎知識【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

「デカい筋肉=強い」は間違い? 見た目とパワーで鍛え方が全く違うワケ【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

求人情報

インフォテキストが入ります