筋持久力向上に欠かせない、日本人に不足しがちな栄養素「ビタミンD」の正しい摂り方とは【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

カルシウムとビタミンDが筋肉の限界値を上げる
筋肉量の限界値は「骨」で決まる
日本人の約9割が、筋肥大や筋回復、筋代謝に深く関わる栄養素の慢性的不足に陥っているといわれます。そのひとつがカルシウムです。
2020年にお茶の水女子大学から、「東アジア諸国におけるカルシウムの摂取状況」というデータが発表され、日本人の深刻なカルシウム不足が明らかになりました。
1975年以降、日本人のカルシウムの摂取量はほぼ横ばいで、平均カルシウム摂取量は1日480〜600mgと、WHOが推奨している1日の摂取量800〜1000mgはおろか、日本の摂取基準量にも及びません。なおかつ、日本人が多く摂取している穀物類や豆類には、カルシウムと結合する性質をもつフィチン酸や不溶性食物線維が多く含まれるため、体内のカルシウム濃度はより低い状態になること
がわかります。
男性は50歳までは1日800mg、50歳以降は750mg、女性は全年齢を通して1日650mgのカルシウム摂取が必要。
骨と骨格筋量が密接に関係していることは、フランシス・エドワード・ホルウェイ博士が明らかにしています。博士は骨量と筋肉の増え方を分析した結果、骨の重量が1kg増えるごとに5kgまで筋肉を維持することができ、筋肉と骨の比率が5対1に近づくにつれて、筋肉は増えにくくなることを明らかにしました。基本的に筋肉は骨につくので、やはり骨量が多い人ほど筋肉は大きくなりやすいというわけです。
また、2014年のベトナム、ファムゴックタック医科大学によるメタ分析で男女約2万人のデータを分析した結果、骨密度と除脂肪体重に有意な相関が見られたことで骨の密度=筋肉の密度であることが明らかになり、骨量だけでなく骨密度も重要なことがわかりました。さらに、2019年のベルギーのリエージュ大学から発表された、骨密度と筋肉に関しての経時的変化を見たメタ分析によれば、骨密度が上がれば上がるほど筋肉量は増えていくこともわかりました。つまり、筋肉量の限界値を引き上げたいのであれば、骨量、骨密度も一緒に増やすことが重要であることがわかったのです。
ところが、それなら不足分をサプリメントで摂取しようと思っても、カルシウムは大量に摂取すると体内で吸収されず、血液にこびりつき、血管の老化に直結するため、サプリメントで一気に摂取することは推奨されていません。毎日決まった量を摂取するのではなく、粉末のサプリメントを食事量に合わせて調整しながら摂ることで、過剰摂取にならず適量を摂取することができます。

見落とされがちな重要な栄養素・ビタミンD
日本人の9割が不足している栄養素のふたつめはビタミンDです。2020年に東北大学で日本人のビタミンDに関する詳細な調査を行った結果、地域差はあるものの、全体として夏場にビタミンD濃度が不足してる人は全体の59%、冬場においては92.4%の人が血中のビタミンD濃度が不足していることがわかりました。
ビタミンDと聞くと、カルシウムやリンの吸収を促して丈夫な骨をつくるサポーター的イメージが強く、体内でも合成できるためあまり重要視されていませんが、実は筋トレをはじめスポーツを行う人にとっては必ず必要量を維持しないといけない栄養素なのです。例えば、2022年にスイスのチューリッヒ大学から、「ビタミンDと運動パフォーマンスの向上」というテーマでナラティブレビューが出されました。現状のビタミンDと運動パフォーマンスの関連性を詳細に分析したものです。
分析では、血中のビタミンD濃度が不足すると、筋持久力は不足を補うことで20%上昇し、筋力やスプリントパフォーマンスに関しては有意に向上。筋力の回復時間は6%から32%向上したという結果でした。つまり、ビタミンDが不足している状態だと身体本来の力を発揮できないだけでなく、回復時間も有意に減少してしまうのです。なぜか疲れがとれない、疲れやすいというのは、ビタミンDの不足が原因かもしれません。
さらに、加齢によりミオスタチン(筋肉の増殖を抑制する成分)が増加すると、筋肉が減少し、タンパク質の分解を促進するという阻害の可能性があります。それに対してビタミンDは、ミオスタチンを抑制するだけでなく、摂取によって速筋線維であるタイプⅡ型の筋細胞が増えることなど、いくつもの論文でビタミンDの効果とその重要性が指摘されています。ビタミンDの不足を補うことが筋持久力、運動パフォーマンスの維持・向上に欠かせないことが明らかにされています。

ビタミンDの正しい摂取方法
ビタミンDにはビタミンD2からビタミンD7までの6種類があり、一般的には身体に有益な効果をもたらす植物性由来ビタミンD2と、動物性由来のビタミンD3のことをいいます。ヒトに対する効果はほとんど変わりませんが、ビタミンD3は他の栄養素とは違い、皮膚が日光に含まれる紫外線(UV─ Bb)を浴びることで生成されます。そのため、従来は通常の生活をしていればビタミンDが不足することはないと考えられていましたが、冬場や屋内で働く人はビタミンD不足になりやすく、補給が必要になります。
ビタミンDの補給方法としておすすめなのは、朝日を浴びてのウォーキングです。一般に、10㎍のビタミンDの生成に必要な日光浴時間は10〜20分程度とされますが、季節や場所(緯度)に大き左右され、冬場の北海道では2時間以上もかかります。そのため、安定した補給にはサプリメントがおすすめです。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、18歳以上の男女とも9.0㎍、上限が100㎍となっています。
ただし、筋トレをしている人は血中のビタミンDレベルが30㎍になることでミオスタチンの活動抑制、運動パフォーマンスの向上が見られるので、1日75㎍くらいを目安にするとよいでしょう。
結論
✓日本人に不足しがちな栄養素は、カルシウムとビタミンDのふたつ
✓筋肉量の限界値を上げるには、カルシウムの影響する骨量・骨密度が重要
✓ビタミンDの摂取で速筋線維であるタイプⅡ型の筋線維が増える
【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男
【著者紹介】論文男(ろんぶんおとこ)
理学療法士。パーソナルトレーナー。現役理学療法士として、小児・スポーツ選手・高齢者のリハビリに従事する傍ら、13年以上の指導経験を生かし、科学的データに基づいたエビデンスレベルの高いトレーニング方法を発信。年間500本以上の論文を読み漁り、最新研究を現場で実践に落とし込む。YouTube 『論文で解決 〜筋肉と栄養を科学する』は登録者23万人以上。3児の父として、忙しいワーカー向けに最短で理想のボディを作るメソッドも開発。筋トレ・栄養・リカバリーを科学的に体系化した指導に定評がある。
【書誌情報】
『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』
著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男
■■トレーニーのための「最適解」がわかる! エビデンスが示す、最新結論■■
理学療法士・パーソナルトレーナーである著者が、10万本以上の論文から導き出した「本当に効く筋トレ理論」をわかりやすく解説します。
SNSにあふれる筋トレ情報の中には、科学的根拠に乏しいものも少なくありません。本書では、年間500本以上の論文をチェックし、現場経験と照らし合わせながら、科学的に証明された方法だけを厳選して紹介します。
筋トレ理論の真偽を検証し、最新研究から導き出された筋トレの設計ルールや正しい栄養戦略を知ることで、無駄な努力や習慣を排除し、最短で筋肉を増やす道筋がわかります。
さらに、部位別の効率的な鍛え方、筋肥大を最大化する負荷・レップ数・インターバル、プロテインやサプリの科学的活用法、リカバリーの正しい知識まで網羅。
経験則や古い理論に惑わされず、論文で裏付けられた最新結論を取り入れて実践することで、成果を確実に最大化できます。
理想の体を手に入れたいトレーニーや、伸び悩みから脱却したい上級者にとって、科学に基づく筋トレの最前線を知る必携の一冊です。
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