目上の人にも「だ・である」を使って良い!? 敬語を正しく使う文章術【デキる大人の文章力教室】

敬語と文末表現を正しく使う -【「だ」「である」と敬語を一緒に使ってもよい】
<文章カアップのポイント>
「敬語」は尊敬語や謙譲語などの単語の種類、「敬体」は文のスタイルの種類であり、尊敬語と常体を一緒に用いても不統一にはならない。

目上の人に関することでも「だ」「である」を使ってよい
NG は、次の3 つの文から構成されています。
①プロジェクトが無事終わった。
②これも周囲の方々が支えてくださったおかげだ。
③特に部長には適切な助言をいただきました。
これらのうち、①②は「だ」「である」(常体)であるのに対し、③だけが「ました」(敬体)になっています。
もしかしたら、この文章の書き手は、目上の人である部長への敬意を表したつもりなのかもしれません。しかし、「です」「ます」は文章中に登場する人物に対して敬意を表すものではなく、文章の読み手に対して表すものです。したがって、「です」「ます」を付けても、部長に対する敬意は表現できません。
部長への敬意は「ご助言」の「ご」と敬語の「いただく」を使うことによって表現されています。ですから、OK のように「です」「ます」を付けなくても失礼にはあたらないのです。
常体と敬体、尊敬語と謙譲語の違い

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介
「正しい日本語」とは
そもそも「正しい日本語」とはなんでしょうか? 日本語は常に変化しています。たとえば、平安時代には「竹取の翁といふものありけり」(『竹取物語』)のような文章が一般に通用していましたが、徐々に今のような日本語に変化してきました。
そう考えると、現代の若者が使っている「マジキモい」や「激おこプンプン丸」なども、数十年後には正式な場で通用する日本語になるのかもしれません。このような常に変化している日本語に対し、「これが正しい」という厳密な規範(ルール)を設定することは難しいでしょう。現時点で「間違った日本語」と呼ばれている表現は、実は単に「世間ではまだ十分に認められていない表現」というだけなのです。ですから、「学術的に正しい日本語」というものは存在しないことになります。
しかし実生活では、避けなければ支障が出る表現もあります。当書が扱うのは、実生活で使うべき「正しい日本語」です。
当書における「正しい日本語」とは
本書では、学術的な意味ではなく、実用的な意味で「正しい日本語」という言葉を使います。それは、現時点における日本社会で「相手にきちんと通じる日本語」のことです。
相手(読み手)に言葉で正確に伝えるためには、発信する側(書き手)と受信する側(読み手)が言葉のルールを共有していなければなりません。「語法」や「文法」と呼ばれるものは、そのルールの典型です。たとえば、外国語を理解できないのは、発信側と受信側が言葉のルールを共有できていないからですが、日本語を母語とする人同士でも、ルールが完全に共有されていなければ、外国語ほどではないにせよ、誤解が生まれます。
本書の目的は、現在の日本語のルールをより深く構造的に理解し、誤解のないコミュニケーションを実現することです。
文章力アップのコツは「学ぶ順序」
本書では、第1章から第4章まで文章を主に構成要素ごとに分解し、順を追って学べるようにしています。最もシンプルで理解しやすい単位である「単語」から始め、徐々に大きな単位のことを学んでいけば、実践でも自然と「正しい日本語」が使えるようになるはずです。さらに、各章を3〜4つのレッスンに分け、全体で15のレッスンで苦手な部分を集中して学べるようにしています。

こんな方にオススメです!
本書は、以下のような悩みや目標をお持ちの方に最適です。
・「正しい日本語」の基準がわからず、ビジネスや公の場での表現に自信がない方
・相手に意図が正確に伝わらず、コミュニケーションで誤解が生じることがある方
・感覚ではなく、現在の日本語の「ルール」を構造的に深く理解したい方
・文章力を基礎の基礎(単語)から段階的に学び、着実にスキルアップしたい方
・実践ですぐに役立つ「実用的な日本語の知識」を身につけたい方
本書は、単語・語法・文法といった文章の構成要素を、理解しやすい順序で体系的に解説しています。「誤解のないコミュニケーション」を実現したいすべての方の文章力アップをサポートします!
【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介
【書誌情報】
『デキる大人の文章力教室』
著:小林洋介
文章力アップのテクニックを紹介。今すぐ使える簡単なテクニックから丁寧に解説。テーマがつかみやすいタイトルや要点、違いがひとめでわかるNG文例とOK文例のポイント説明など、わかりやすさにこだわった構成も特長。
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