動かないモノを動かしてない? 名詞と動詞を理解して文章力アップ!【デキる大人の文章力教室】

名詞と動詞を正しく使う -【名詞と動詞を理解する】
<文章カアップのポイント>
・抽象的な概念など、動作しないものが動作する文にならないように、名詞と動詞を対応させる。
・「〇〇することである」をじょうずに使う。

動作しないものが動作するという文は間違い
「目標」自体が「ダイエットする」ことはありません。書き手がダイエットするのです。NGの「目標はダイエットする」のような「AはBする」という文では、「Bする」(動詞)は動作なので、「A」(名詞)が動作しないモノ(コト)であってはなりません。「AはBする」の「A」(主語)が動作するモノなのが、動作しないモノなのかを考えましょう。「動作しないモノが動作する」という文は間違いです。この問題を解消するため、OK1では文末を「Bする」という動詞ではなく「Bだ」「Bである」に置き換えています。OK2については書籍52〜53ページで詳しく解説します。
多くの場合、上のような間違いは名詞と動詞の役割をよく理解していないことから発生します。
「名詞」とは「モノやコト(概念)の名前」となる語句です。「机」「砂漠」のように、目に見え、手で触ることのできるモノの名前は名詞です。また、「酸素」などのように目に見えないモノでも、酸素という原子や分子は存在しているので、これも名詞です。また、「メキシコ」「カルロス」のような地名や人名は「固有名詞」と呼ばれ、名詞の一種です。さらに、「目標」「組織」などは目に見えませんし、物理的に存在していませんが、概念の名前であって、名詞として扱われます。「こと」や「もの」という単語も名詞です。
「動詞」とは「動作」を表す語句です。例としては、「動く」「食べる」「飲む」「書く」などがあります。また、「考える」「憎む」などは目に見える動作ではありませんが、心が動いているので動詞です。ただし、「ダイエットする」の「ダイエット」だけでは、動作の意味を持っていても名詞として扱われます。
【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介
「正しい日本語」とは
そもそも「正しい日本語」とはなんでしょうか? 日本語は常に変化しています。たとえば、平安時代には「竹取の翁といふものありけり」(『竹取物語』)のような文章が一般に通用していましたが、徐々に今のような日本語に変化してきました。
そう考えると、現代の若者が使っている「マジキモい」や「激おこプンプン丸」なども、数十年後には正式な場で通用する日本語になるのかもしれません。このような常に変化している日本語に対し、「これが正しい」という厳密な規範(ルール)を設定することは難しいでしょう。現時点で「間違った日本語」と呼ばれている表現は、実は単に「世間ではまだ十分に認められていない表現」というだけなのです。ですから、「学術的に正しい日本語」というものは存在しないことになります。
しかし実生活では、避けなければ支障が出る表現もあります。当書が扱うのは、実生活で使うべき「正しい日本語」です。
当書における「正しい日本語」とは
本書では、学術的な意味ではなく、実用的な意味で「正しい日本語」という言葉を使います。それは、現時点における日本社会で「相手にきちんと通じる日本語」のことです。
相手(読み手)に言葉で正確に伝えるためには、発信する側(書き手)と受信する側(読み手)が言葉のルールを共有していなければなりません。「語法」や「文法」と呼ばれるものは、そのルールの典型です。たとえば、外国語を理解できないのは、発信側と受信側が言葉のルールを共有できていないからですが、日本語を母語とする人同士でも、ルールが完全に共有されていなければ、外国語ほどではないにせよ、誤解が生まれます。
本書の目的は、現在の日本語のルールをより深く構造的に理解し、誤解のないコミュニケーションを実現することです。
文章力アップのコツは「学ぶ順序」
本書では、第1章から第4章まで文章を主に構成要素ごとに分解し、順を追って学べるようにしています。最もシンプルで理解しやすい単位である「単語」から始め、徐々に大きな単位のことを学んでいけば、実践でも自然と「正しい日本語」が使えるようになるはずです。さらに、各章を3〜4つのレッスンに分け、全体で15のレッスンで苦手な部分を集中して学べるようにしています。

こんな方にオススメです!
本書は、以下のような悩みや目標をお持ちの方に最適です。
・「正しい日本語」の基準がわからず、ビジネスや公の場での表現に自信がない方
・相手に意図が正確に伝わらず、コミュニケーションで誤解が生じることがある方
・感覚ではなく、現在の日本語の「ルール」を構造的に深く理解したい方
・文章力を基礎の基礎(単語)から段階的に学び、着実にスキルアップしたい方
・実践ですぐに役立つ「実用的な日本語の知識」を身につけたい方
本書は、単語・語法・文法といった文章の構成要素を、理解しやすい順序で体系的に解説しています。「誤解のないコミュニケーション」を実現したいすべての方の文章力アップをサポートします!
【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介
【書誌情報】
『デキる大人の文章力教室』
著:小林洋介
文章力アップのテクニックを紹介。今すぐ使える簡単なテクニックから丁寧に解説。テーマがつかみやすいタイトルや要点、違いがひとめでわかるNG文例とOK文例のポイント説明など、わかりやすさにこだわった構成も特長。
この記事のCategory
オススメ記事

”馬から落馬”、”頭痛が痛い”…文章を書くのに気をつけたい「漢字の重複」のキホン【デキる大人の文章力教室】

知らないと意味が通りにくくなる、文章力を上げる「概念」の区別とは【デキる大人の文章力教室】

「なので」から始まる文章はNG! 書き言葉の正しい接続詞とは?【デキる大人の文章力教室】

むやみに「の」を使わない、「誤解」を防ぐ文章術とは【デキる大人の文章力教室】

【文章の基本】「です・ます」と「だ・である」の混在はNG?読みやすい書き方【デキる大人の文章力教室】

和語と漢語で意味が重複する、気付きにくい文章の間違いとは?【デキる大人の文章力教室】

1つの文に同じ語句は使わない! 文章力を鍛える書き方の基本【デキる大人の文章力教室】


