「考えが考える」ことはない! 動詞を名詞に変えて正しい文章にするテクニックとは【デキる大人の文章力教室】

名詞と動詞を正しく使う -【「動詞+もの」で名詞句にする】

<文章カアップのポイント>
・「〇〇+もの」も「〇〇+こと」と同様に名詞の役割を果たす(名詞句)。
・動作しないものが動作する文にならないようにする。

動詞を名詞句にして正しい文に整える

 「考え」が「考える」ことはありません。私(書き手)が考えるのです。書籍53ページと同様、今回もNGの中間部分(下のマーカー部分)を省いてみましょう。

 中間部分を省くと「私の考えは考える」となります。この文は2つの意味で不自然です。まず、「考え」が重複しています。次に、「考え」という抽象的な概念が「考える」という動作をすることになってしまっています

 そこで、「考える」という動詞を削除し、残った「食べるべきだ」という動詞に「というもの」を付けて、「食べるべきだというもの」という名詞句にしましょう。「〇〇+こと」と同様、「〇〇+もの」も名詞句を作ります。

 同じような誤文例として、「次の停車駅は新宿に停まります」が挙げられます(実際、駅のアナウンスでときどき耳にします)。「停」の字が重複しているだけで怪しいと気づくはずですが、それに加え、「AがBする」のAとBの関係が間違っています。停車駅は動くことも停まることもありません。電車が停まるのです。ですから、「次の停車駅は新宿です」または「(この電車は)次は新宿に停まります」とすれば、正しい文になります。

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介


「正しい日本語」とは

 そもそも「正しい日本語」とはなんでしょうか? 日本語は常に変化しています。たとえば、平安時代には「竹取の翁といふものありけり」(『竹取物語』)のような文章が一般に通用していましたが、徐々に今のような日本語に変化してきました。

 そう考えると、現代の若者が使っている「マジキモい」や「激おこプンプン丸」なども、数十年後には正式な場で通用する日本語になるのかもしれません。このような常に変化している日本語に対し、「これが正しい」という厳密な規範(ルール)を設定することは難しいでしょう。現時点で「間違った日本語」と呼ばれている表現は、実は単に「世間ではまだ十分に認められていない表現」というだけなのです。ですから、「学術的に正しい日本語」というものは存在しないことになります。

 しかし実生活では、避けなければ支障が出る表現もあります。当書が扱うのは、実生活で使うべき「正しい日本語」です。

当書における「正しい日本語」とは

 本書では、学術的な意味ではなく、実用的な意味で「正しい日本語」という言葉を使います。それは、現時点における日本社会で「相手にきちんと通じる日本語」のことです。

 相手(読み手)に言葉で正確に伝えるためには、発信する側(書き手)と受信する側(読み手)が言葉のルールを共有していなければなりません。「語法」や「文法」と呼ばれるものは、そのルールの典型です。たとえば、外国語を理解できないのは、発信側と受信側が言葉のルールを共有できていないからですが、日本語を母語とする人同士でも、ルールが完全に共有されていなければ、外国語ほどではないにせよ、誤解が生まれます。

 本書の目的は、現在の日本語のルールをより深く構造的に理解し、誤解のないコミュニケーションを実現することです。

文章力アップのコツは「学ぶ順序」

本書では、第1章から第4章まで文章を主に構成要素ごとに分解し、順を追って学べるようにしています。最もシンプルで理解しやすい単位である「単語」から始め、徐々に大きな単位のことを学んでいけば、実践でも自然と「正しい日本語」が使えるようになるはずです。さらに、各章を3〜4つのレッスンに分け、全体で15のレッスンで苦手な部分を集中して学べるようにしています。

こんな方にオススメです!

本書は、以下のような悩みや目標をお持ちの方に最適です。

・「正しい日本語」の基準がわからず、ビジネスや公の場での表現に自信がない方
・相手に意図が正確に伝わらず、コミュニケーションで誤解が生じることがある方
・感覚ではなく、現在の日本語の「ルール」を構造的に深く理解したい方
・文章力を基礎の基礎(単語)から段階的に学び、着実にスキルアップしたい方
・実践ですぐに役立つ「実用的な日本語の知識」を身につけたい方

本書は、単語・語法・文法といった文章の構成要素を、理解しやすい順序で体系的に解説しています。「誤解のないコミュニケーション」を実現したいすべての方の文章力アップをサポートします!

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介

【書誌情報】
『デキる大人の文章力教室』
著:小林洋介


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