増加する子どもの将来のお口リスクに繋がる「ポカンロ」の改善法とは?【歯並びをよくする離乳食・幼児食】


最近増えているお口の未発達
クリニックで日々たくさんのお子さんを診ているなかで感じることのひとつが、「虫歯のある子が少なくなった」ということ。もうひとつが、「あごが小さい子、口が未発達な子が増えている」ということです。
虫歯が減ったのはとても素晴らしいことですが、「あごが小さい」「口が未発達」というのは少し心配なことでもあります。こうした状態は、「歯並びが悪くなる」「口呼吸になる」「頭痛、顎関節症、虫歯などになる」「滑舌が悪くなる」「顔のバランスが崩れる」など、さまざまなリスクを引き起こす原因になりかねないからです。
あごや口のサイズ、形状は遺伝的な影響を受けることもありますが、発達においては食生活が大きく影響します。特に、最近はやわらかい食べ物が好まれがちですが、乳幼児のうちからやわらかい物ばかりを食べていると、よく噛まずに食べるクセがついてしまいます。
そのため、口やあごの筋肉などが強くならず、発達や発育が進みにくくなってしまう恐れが。口を閉じる筋肉が弱いと、いつもお口がポカンと開いているポカンロの原因にもなってしまいます(実際に、ポカンロのお子さんは本当によく見かけます)。
「なるべく食べやすいよう、誤嚥しないよう、やわらかく、小さくしてあげよう」という親御さんの思いやりが、あごや口の発達を妨げてしまっている可能性があるのです。
【書誌情報】
『歯並びをよくする離乳食・幼児食』
著:杉原麻美/藤原朋未
お子さんの歯並び、お口の状態、気にしていますか?
昔に比べ、やわらかいものを食べるようになった昨今、お口まわりの筋肉や、飲み込む力が未発達なままとなり、「でこぼこ歯」「出っ歯」「ポカン口」「受け口」などの、お悩みを持つお子さんが増えています。
歯並びや、噛み合わせの悪さが与える影響は多々ありますが、大人になってからもデメリットとなり続けるものばかりです。
「でも、歯並びは遺伝の影響では…?」と思った方にこそ、
手に取っていただきたいのが本書です。
実は0歳児からのミルクの飲み方、哺乳瓶の選び方、
離乳食・幼児食のメニュー、食べ方といったことのすべてが、
お子さんの歯並びにつながっているのです。
お口を育てる視点から、「月齢を目安にするよりも、お口の状態に合わせて進める」「誤嚥を防ぐ細かい切り方ばかりだと歯を使わず、お口の発達が促されない!」といった、離乳食・幼児食の新常識を解説し、一生ものの「きれいな歯並び」をつくる、離乳食・幼児食のフリージング&作りおきレシピをご紹介します。