サバンナを駆け抜ける最速のスプリンター【眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話】

チーター
チーターは言わずと知れた世界最速の陸上動物。最高速度は時速100㎞を超え、サラブレッドの時速77㎞と比べても段違いのスピードです。人間を襲うことはほぼなく、かつてはインドなどで狩猟用として飼育されていました。
チーターの狩りはほとんどが単独で行われます。木の上や草むらに身を潜めて獲物を探し、標的を見つけるやいなやはじかれたように疾走。わずか3秒で時速70㎞に達します。獲物は方向転換を繰り返して追っ手を逃れようとしますが、チーターは長い尾でバランスを取りながらくらいついていきます。最後は相手の反撃を食らわないように喉元に5~10分噛みついて窒息させます。そしてしとめた獲物はすぐに食べることはせず、呼吸を整えてからが食事になります。
チーターの速さの秘密は、そのしなやかな肢体にあります。脚や腰にはしっかりと筋肉がつき、背をバネのように伸縮させて疾走します。また、頭は小さく、体は流線形。空気抵抗を最小限にできる体形も速さの秘密です。さらには、ネコ科の動物としては例外的に、チーターはつねに爪が出ています。この爪が地面を噛むスパイクの役目を果たし、いっそうのスピードを生むのです。

チーターの狩りはわずか20秒程度で決着がつきます。追いかける距離も170〜500m程度と長くはありません。チーターはトップスピードで走れる時間が短く、それ以上獲物を追うことができないのです。獲物にかわされて狩りに時間がかかると捕獲をあきらめてしまうことも多く、狩りの成功率は50%程度とあまり高くありません。世界最速のスプリンターの最大の弱点は持久力というわけです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。
【書籍情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊
図解シリーズで解説するハンター生物の話!ライオン、大鷲、ホオジロザメなど陸・海・空のハンター生物の狩りの方法をイラスト付きで紹介する一冊です。単に子ども向けの図鑑ではなく、イラストと文章できちんと動物の生態を解説。動物が生きるために、どのような工夫をしているのかを紹介します。
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